2016 Fiscal Year Annual Research Report
儒教的民本主義と国民国家建設―東アジアの政治文化史的比較
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26284105
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
趙 景達 千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (70188499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 俊介 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (10737878)
久留島 浩 国立歴史民俗博物館, 教授 (30161772)
武内 房司 学習院大学, 文学部, 教授 (30179618)
村田 雄二郎 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70190923)
須田 努 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 教授 (70468841)
愼 蒼宇 法政大学, 社会学部, 准教授 (80468222)
山田 賢 千葉大学, 文学部, 教授 (90230482)
小川 和也 中京大学, 文学部, 教授 (90509035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 儒教的民本主義 / 国民国家 / 植民地 / 東アジア / 比較史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究成果を踏まえ、8月にドイツのハイデルベルグ大学東アジアセンターを訪問し、ヨーロッパ研究者との研究会を持ったことが最大の研究成果として特記される。これまでは、東アジア内での比較研究を重要な課題としてきたが、副次的な参照系として、やはりヨーロッパの国民国家化の問題は避けては通れない。そこで、ハイデルベルグ大学における東アジア研究の現状や、資料収集などについて調査を行うに至ったものである。また、併せてドイツ国立図書館の調査と、ライデン大学との交流も行った。 一見したところ、ヨーロッパでは西欧中心的な研究が行われているように思えるが、日本史研究などではむしろ西欧の相対化が模索されているように思われ、東アジアの文脈を重視する研究の重要性が改めて認識された。また、日本や東アジア全般の現状に対するに対する意見交換も行い、東アジア的な共通価値とは何かということが西欧からのまなざしからしても熟慮されなければならないということが再認識されたことは大きな成果であった。また、ドイツにおける日本関係の資料収集は思ったより進んでいるばかりか、その電子化作業も進んでおり、かえって日本の遅れが実感された。今後は日本と東アジア各国との協力区のもとで、電子化作業を進めていかなければならないと認識した。 個人ごとに与えられた研究については、ほぼ見通しが見える段階となり、資料収集も峠を越えた。研究成果作りのための論文タイトルもすでに決まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同調査などはすでに終了しており、資料収集もほぼ順調に行われている。研究成果として刊行することになっている冊子への投稿タイトルも、研究協力者各人ともすでにほぼ決まっている。また、科研研究協力者以外にも協力研究者が現れ、研究の多様性が確保された。若手研究者の参加や海外研究者の新たな参加などもあり、問題意識の共有が一層図られた。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は研究の最終年度であるので、何よりも各人が共同研究に即した論文を書き上げることを重要な課題とする。そのために、何度かの研究会を開催することを計画している。そこで相互批判をしつつ、研究の精度を上げていきたい。なお、論文の締切は9月とし、しかるべき出版社で研究成果を刊行することを確認し合っている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が731,507円生じているが、これは研究成果物の印刷費として使用を控えたものである。印刷費の費用としては100万円ほど見込まれるため、あえて使用を留保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果はしかるべき出版社より刊行を予定し、次年度使用額はその全額をこれに充てることを見込んでいる。
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Research Products
(12 results)