2016 Fiscal Year Annual Research Report
Formation of Modern Society in the Ottoman Empire, 17th to 19th Centuries
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26284106
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秋葉 淳 千葉大学, 文学部, 准教授 (00375601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 佳世子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30208615)
小笠原 弘幸 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オスマン帝国 / 西アジア・イスラーム史 / 近代史 / 近世史 / トルコ / 宗派化 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目となる平成28年度は、国際学会へのパネル参加、国内研究会の開催、海外研究協力者との国際ワークショップの開催、国内学会への参加、海外での資料収集など多方面にわたる研究活動を行った。 9月にドイツ・ハンブルクで開催された第2回トルコ学大会(Turkologentag)に、トルコ、フランス、米国からの研究者とともにオスマン帝国における法慣行の変容を主題とするパネルを組んで参加した。ただし、トルコの政治状況の不安定化により、米国から討論者として参加したBogac Ergene氏(ヴァーモント大学)と本科研研究代表者(秋葉)のみの参加となった。しかし、連続パネルとしてフランスのMarc Aymes氏(フランス国立科学研究センター)の組織したセッションは成立し、その参加者らと議論を深めることができた。 3月にはDerin Terzioglu氏(ボアジチ大学/ベルリン自由大学)を招聘し、本科研分担者の小笠原氏や他の招聘研究者たちとともに、「ポスト・モンゴル期の国家、宗教、権威」と題するワークショップを共催した。そこで、テルズィオール氏、上野雅由樹氏(大阪市立大学)、踊共二氏(武蔵大学)の3名の報告者からなるセッション「グローバルな文脈における宗派化:オスマン帝国、ヨーロッパ、日本」を組んで議論した。また、千葉大学でテルズィオール氏を講師とするセミナー、同志社大学では氏と他の招聘研究者による講演会「ポスト・モンゴル期のイスラーム世界研究への新しいパースペクティブ」を共催した。 7月には国内研究会を東洋文庫で開催し、成地草太氏(明治大学)が19世紀オスマン帝国における難民支援について、Yakoob Ahmed氏(ロンドン大学)がオスマン朝近代のウラマーの思想について報告した。 5~6月には研究協力者の守田まどか氏をトルコ、イスタンブルに派遣し、オスマン文書館などで資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期の計画では、3年目にあたる平成28年度に国際シンポジウムを開催する予定であったが、それは翌年度に延期し、その代わり海外での国際学術会議でパネルを組織して参加することにした。トルコの政治的状況の変化により、パネル参加者の3名が参加できないというハプニングが発生したが、連続パネルとして連携していたもう一つのセッションは成立し、その参加者らと議論を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成29年度には、海外から2~4名の研究者を招聘し、日本の研究者とともに東京で国際ワークショップを開催し、それをもって一つの総括とする。ワークショップのテーマは18世紀のオスマン社会の変容に絞り、議論を深める予定である。その他、国内研究会や、海外学会への参加による成果発表などを行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
2016年度に海外から複数の研究者を招聘して国際シンポジウム(あるいはワークショップ)を開催する予定だったが、それを次年度に繰り越し、2016年度には海外で開催される国際学会に、海外研究者とパネルを組んで参加することに変更した。そのため、日本への招聘にかかる費用から国際学会参加費用(旅費等)を差し引いた分が次年度に繰り越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度には、海外から複数の研究者を招聘して国際シンポジウム(あるいはワークショップ)を開催することを予定しており、その費用の一部に、繰り越された研究費を当てる。
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Research Products
(19 results)