2014 Fiscal Year Annual Research Report
〈青島〉旧蔵書籍書誌情報の緊急採録と国内学術機関宛寄贈書籍書誌情報原稿の完成
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26284107
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
持井 康孝 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (40107496)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 青島 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記の2項を実施した。即ち、①独逸租借期青島旧藏書籍に対する書誌学的精査の続行、並びに②ドイツの東亜に於る租借地経営[特にその文化/教育面]及び日本の青島守備軍による占領地統治実態の解明に就ての調査/研究である。このうちの①に就ては、前回までのプロジェクトに於て既に收集しておいた青島旧藏書籍資料の整理に重点を置くこととし、青島旧藏書籍の太宗たる京都/東京両帝国大学宛寄贈書籍資料(孰れもその既收部分)に就て、これを行なった。尚、従来未捜到たりし膠州図書館旧藏書籍1冊を京都大学附属図書館の大型本書架上に発見した。 又、②に就ては、19世紀後半から20世紀の20年代に到る独逸帝国、及びこれを構成する諸国所刊の官報(国/州/県/郡などの諸種を含む)の類、殖民地報、及び諸市に於る住民録の類の電子データ(大約100ギガバイト)を收集した。これにより、今次プロジェクトを推進するうえでの基礎を固め得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
京都帝国大学宛寄贈の独逸租借期青島旧藏書籍に対する書誌学的精査作業は、全体として大約3/5を了え、東京帝国大学宛寄贈の独逸租借期青島旧藏書籍に対する書誌学的精査は、全体として約1/2を終了したことを確認した。又、②当該書籍の青島への将来事情、青島での整理/利用状況、日本の青島守備軍による接收/整理/処分状況、及びドイツの東亜に於る租借地経営(特にその文化/教育面)の実態並びにその特徴を精査するうえで必須なドイツ側諸データに就ては、資料の性格上これを数量的に表すことは困難ながら、その中核的資料を掌握し得た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の研究方法に対する変更は基本的に無い。即ち、①独逸租借期青島旧藏書籍に対する書誌学的精査を続行すると共に、②ドイツの東亜に於る租借地経営[特にその文化/教育面]及び日本の青島守備軍による占領地統治実態の解明に就ての調査/研究を行なう。
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Causes of Carryover |
新規調査機関宛の訪査には最低3週間の滞在が必要ながら、如下3点の理由により、今年度の研究代表者にはその機会を得ることが困難であったが故である。即ち、①定年退職に伴う諸般の事情(研究スペースの移動/整備を含む)により、夏休み前に於る新規調査機関宛の訪査機会を失したこと。②19世紀後半から20世紀の20年代に到る独逸帝国、及びこれを構成する諸国が発行した官報(国/州/県/郡などの諸種を含む)の類、殖民地報、及び諸市に於る住民録の類の電子データ(大約100ギガバイト)の收集を優先させたこと。斯る類のデータは、個人情報に関る近年の動向を顧慮するならば、何時公開中止になるやも知れぬこと、云う迄もあるまい。又、③或は円安の影響による外国人旅行者の急増によるのであろうか、訪査地に於る宿泊施設の長期利用條件が急速に悪化したこと。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
幸い、予定訪査機関からは概ね快諾を得ているので、次年度以降は宿泊施設の確保を優先させることとし、新規調査機関宛の訪査を出来るだけ早く実施する。当面は、信州大学及び新潟大学宛訪査を先行さす可く計画している。
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