2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26285015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山川 隆一 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60158079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 悠 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (00456097)
石崎 由希子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50547817)
桑村 裕美子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70376391)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 労働法の実効性確保 / 労働紛争の解決 / コンプライアンス / ソフトロー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、前年度の検討で得られた問題意識に照らして、諸外国において採用されている労働法の実現手法につき具体的に検討するとともに、海外の研究者との意見交換等による諸外国の法状況についての理解の確認、わが国の法状況の比較法的特色の把握、さらに、現段階までの研究の成果を発信する作業を行った。諸外国における労働法の実現手法については、研究代表者が昨年度のアメリカ合衆国現地調査の結果を踏まえて同国の法状況につきさらに検討を進めたほか、池田准教授がイギリス法の状況について現地調査を行い、企業倒産時の年金受給権の実現等の新たな視点を得た。石崎准教授と桑村准教授も、本年度の海外調査は困難となったものの、文献調査等によりフランス・ドイツの法状況の研究を深化させた。さらに、研究参加者全員が、本研究テーマにかかわるわが国の法状況について、個別の問題領域に即して研究を行った。 以上のうち海外の研究者との意見交換や研究成果の発信については、研究代表者が、南アフリカ共和国で開催された国際労使関係研究協会の世界会議において報告を行い(平成27年9月10日)、各国の研究者等と意見を交換した(報告論文は、同会議ウェブサイトに掲載されている(http://www.ilera2015.com/dynamic/full/IL185.pdf))。また、研究代表者は、同年11月28日には、中華人民共和国の人民大学で開催された国際会議に招待され、本研究のテーマにつき報告を行い、各国からの参加者と意見交換を行った。池田准教授も、同年10月18日開催の日本労働法学会第130回大会シンポジウムにおいて、本研究テーマに関し、「倒産手続下での不当労働行為救済手続の取扱い」と題する報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外調査の一部が訪問先の都合や担当者の学会開催校業務などにより次年度に実施することになったが、それ以外はおおむね計画どおりの研究進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実現できなかった一部の国の海外調査および必要に応じた追加調査等を実施するほか、当初の計画どおり平成28年度に予定されている研究を実施したうえ、本研究を総括する観点および個別問題の検討という観点からの研究成果をまとめ、その内外への発信のための作業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
英語で発表した論文、及びその予定である論文(書籍の一部)についてのネイティブスピーカーによる校閲への報酬等を人件費として予定していたが、今回は雑誌発行者及び書籍発行者の負担により実施されたため、その分の支出が不要になった。また、海外調査の一部を平成28年度に実施することになったため、その分の旅費の支出が27年度は不要になり、来年度に支出することになった。その他、書籍等につき、27年度内に納入・支払が間に合わなかったものがあるため、それらは28年度に支出することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度においても英文の論文を発表する予定のため、改めてネイティブスピーカーによる校閲等を依頼する予定がある。また、27年度に実施できなかった海外調査や必要に応じた追加調査を28年度に実施する予定である。その他、購入が年度をまたがった書籍等についての支払が28年度に行われる予定である。
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Research Products
(12 results)