2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26285020
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
瀬川 晃 同志社大学, 法学部, 教授 (00104604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 嘉彦 同志社大学, 司法研究科, 教授 (10367964)
阿部 千寿子 京都学園大学, 法学部, 講師 (10610628)
奥村 正雄 同志社大学, 司法研究科, 教授 (30265532)
田坂 晶 広島修道大学, 法学部, 准教授 (30548516)
緒方 あゆみ 中京大学, 法務研究科, 准教授 (40535390)
松原 久利 同志社大学, 法学部, 教授 (50257424)
宮木 康博 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (50453858)
古江 頼隆 同志社大学, 司法研究科, 教授 (70376383)
十河 太朗 同志社大学, 司法研究科, 教授 (80304640)
川崎 友巳 同志社大学, 法学部, 教授 (80309070)
洲見 光男 同志社大学, 司法研究科, 教授 (90241124)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 犯罪予防 / コミュニティ・ポリシング / CPTED / 状況的犯罪予防 / 被害者学 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、予め犯罪予防の重要テーマの中から抽出した①刑罰の一般予防機能・特別予防機能(積極的一般予防論を含む)、②処罰の「早期化」とネットワイドニング、③保安処分および医療観察制度、④警察活動論(policing)、⑤コミュニティ・ポリシング(近隣監視〔neighbor watch〕、監視カメラを含む)、⑥プライベート・ポリシング(プライベート・セキュリティ)、⑦犯罪予防に関する犯罪学理論(合理的選択理論、ルーティン・アクティビティ理論、割れ窓理論など)、⑧欧米における犯罪予防戦略(CPTED、状況的犯罪予防など)、⑨犯罪予防的捜査手法(通信傍受、会話傍受、身分秘匿捜査、潜入捜査など)、⑩前科・犯罪歴に関する情報公開、⑪その他というについて、研究分担者が、個々に欧米の動向を考察する第1ステージの研究を行った(当初より、第1ステージは、最も時間を要すことが想定されており、想定通り、26年度中には、第1ステージの研究は完結していない)。 具体的な研究に当たっては、文献の収集から始める必要があった。文献の調査研究は、基本的に個々の研究分担者が独自に進めることになるが、収集した文献のうち重要性の高いものは、同志社大学犯罪学研究センターまたは同志社大学法学部図書室において設備図書として所蔵し、全員で共用できるようにしている。文献調査と併せて26年度中にアメリカ合衆国のニューヨーク市、イギリスのロンドン、ドイツのベルリンを候補地として、専門家や実務家からインタビュー調査委を実施する予定であったが、相手方との調整が付かず、次年度に延期になった。 研究によって得られた情報や知見の共有を図るために、同志社大学犯罪学研究センターでの研究会を実施した。ただし、それぞれの課題について、海外の動向が把握できた段階で、学界全体として最新の情報を共有するために、個別に論文の作成に取り掛かっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より、3年計画の1年目については、文献の収集などの準備にもある程度の時間を要することを見込んでおり、欧米の動向の正確な把握(第1ステージ)を2年目の半ばまでに終えることを想定していたため、全体的に見れば、本研究は、現段階では、ほぼ順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き、第1ステージとして、欧米の動向に関する研究成果・知見の検討を行ったうえで、各テーマに関する日本の犯罪予防論の現状と課題について、考察を行う第2ステージに進む。 ここでも、基本的に、テーマを担当する分担研究者を中心に、研究を進める。テーマによって、日本での研究の蓄積や実践的な成果の有無について格差の存在することが予定されているが、日本での研究蓄積が少ない場合には、日本において欧米と同様に当てはめることの是非について慎重に検討を加え、可能な場合には、当てはめた場合の課題について考察する。ここでも、文献調査および日本国内の専門家・実務家への聞き取り調査が、主たる研究方法となる。第2段階でも、頻繁に研究会を開催し、知見の共有や意見交換を行うよう心がける。 なお、大きな研究の遅れにはつながっていないが、海外の動向を正確に把握するための海外への出張が、前年はできなかったことから、本年度は、実現する必要がある。
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Causes of Carryover |
海外での実地調査の前に、さらに詳細な文献による情報収集と分析を行うことにしたため、海外旅費として予定していた額を次年度に使用することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アメリカおよびイギリスへの実地調査を実施する。
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