2016 Fiscal Year Research-status Report
<政治リテラシー>の理論的研究と政治学教育への実践的展開
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26285028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
関口 正司 九州大学, 法学研究院, 教授 (60163101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 耕 成蹊大学, 法学部, 教授 (00507105)
石田 雅樹 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (10626914)
蓮見 二郎 九州大学, 法学研究院, 准教授 (40532437)
井柳 美紀 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50420055)
施 光恒 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (70372753)
鏑木 政彦 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80336057)
竹島 博之 東洋大学, 法学部, 教授 (90346734)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 政治リテラシー / シティズンシップ / 市民教育 / 政治学教育 / 西洋政治思想史 / 政治哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)研究活動の概要:前年までと同様、メンバーの研究進捗状況報告会を実施した(平成28年12月7日、九州大学箱崎キャンパス)。具体的には、デューイとリップマンにおける政治と教育(石田)、マシューアーノルドにおける政治と教養(井柳)、ブルクハルトにおける市民と教養(竹島)、ラインホールドニーバーの政治教育論(鏑木)、ナショナリズムと教育(施)市民的共和主義のシティズンシップ論(蓮見)、政治リテラシーのための授業デザイン(関口)、A・D・リンゼイの政治教育論(平石:海外出張中のため文書送付)というように、各自のテーマについての報告がなされた。総じて、論文集に向けた着実な研究の進捗が確認できた。 (2)研究成果の概要: 歴史・思想研究の分野では、学会発表・雑誌掲載論文・共著書などの形で、マシュー・アーノルドにおける政治と教養(井柳)などの研究成果が発表された。素朴な民主主義観からすれば、デューイに典型的に見られるような、地域を重視した参加型民主主義論と、大衆不信から専門家・エリートの役割を重視した民主主義論とは、対比的にみられがちであるが、両者はきわめて複雑な関係にあり、かついずれも、素朴な民主主義観に対して、深刻な反省を迫る思想家であること、大衆にせよエリートにせよ、何らかの教育的強化が必要であることが、アーノルド研究等によって明らかにされた。 他方、現代理論研究では、同じく学会発表・雑誌掲載論文・共著書などの形で、18歳までの有権者資格拡大にともなう今日的課題である青年の主権者教育にかんする実践性の高い研究に非常に意欲的な取組がなされ、その多産な成果が活発に発表された。また、現代理論や思想史研究の成果に根ざした高校の倫理教育に寄与する成果や、グローバル化の進行とそれにともなうナショナリズムの活性化をめぐる問題に正面から取り組んだ研究成果もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(理由)本研究の二本の柱である歴史・思想研究と現代理論研究のいずれの領域においても、当初の28年度計画に即して着実に進展しており、研究会・学会での発表や刊行論文・共著などの形で、成果をあげている。また、内容面でも、当初の期待を上回る形で、さらに深く掘り下げつつあることが、これらの研究成果、ならびに、研究成果報告会での各メンバーの発表からも確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 次年度(平成29年度)は、最終年度となるので、成果のとりまとめに全力を挙げる。ただし、拙速は避け、十分な質の確保をはかるため、論文集の刊行は平成30年度内と余裕を見ておくことにしたい。教育実践の面では、教える内容もさることながら、教えられる側の知識・態度を把握することの重要性がいっそう明確になってきたので、そのためのアンケート開発を進めていきたい。
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[Presentation] 社会科学と日本語教育との連携2016
Author(s)
施光恒
Organizer
国際日本語教育・日本研究シンポジウム
Place of Presentation
香港公開大学(香港、中国)
Year and Date
2016-11-20 – 2016-11-20
Int'l Joint Research
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