2014 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカの政治過程の変貌における「メディアの分極化」の多角的検証
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26285030
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
前嶋 和弘 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (10350729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 文明 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00126046)
山岸 敬和 南山大学, 外国語学部, 准教授 (00454405)
梅川 健 首都大学東京, 社会科学研究科, 准教授 (40635033)
渡辺 将人 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (80588814)
菅原 和行 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (90433119)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 政治過程論 / アメリカ現代政治 / メディア / 政治的分極化 / ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる本年度については、本研究の出発点として、代表者・分担者はそれぞれ基礎的な文献収集・分析を行ったほか、代表者・分担者はそれぞれが現地における質的調査を行った。特に26年11月の中間選挙における「メディアの分極化」の影響については注視した。質的調査について、代表者・分担者の具体的な調査対象は次のとおりである。 代表者である前嶋和弘は、アメリカにおけるメディアと政治の関係、特に放送メディアの政治的な立場、中立性(客観性)について、報道関係者、メディア研究者、シンクタンク関係者らに聞き取り調査をしたほか、ティーパーティ運動、ウォール街占拠運動などの政治運動について、参与観察を行った。さらに、報道の内容について、各種データベースを利用しながら、「メディアの分極化」現状を明らかにしていった。 久保文明はメディアと政党、連邦議会とのそれぞれの変化について、アメリカの政策関係者との意見交換、資料収集を行った。山岸敬和は、公共政策形成におけるメディアの役割を分析するため、オバマ政権の医療制度改革を例にとり、議会や執行府との相互関係の中で政策形成過程の中でどのようにメディアが関連しているかを解明をすすめた。 菅原和行は、メディアと官僚の関係について分析した。とりわけ、ワシントンからの情報が増大し、ワシントンにメディアの目が集まる中、政府によるメディアの利用や対策が大きく変化した点を明らかにしていった。渡辺将人は、選挙における候補者・政党とメディアの関係の変化について包括的な聞き取り調査を行った。特に、アフリカ系アジア系、ヒスパニック系、女性などの新しい選挙民集団へのアウトリーチ戦略について、メディアをどのように駆使しているか、現地での非参与観察を中心に解明した。梅川健はメディアと司法、大統領とのそれぞれの関係の変化について、政策関係者について分析を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に推移しており、代表者、分担者もほぼ全員が日程通りに渡米(一回、もしくは複数回)し、聞き取り調査や資料収集などを行っている。メディアの内容分析については質的な調査が進んでいる。研究会も年5回開催している。また、全員で会議ができない場合ににも個々のメンバーと意見交換する形で研究の進捗状況を確かめあっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の分析結果を基礎にして、個々の分析結果を研究会において、検討しながら、統合するフレームワークを構築していく。そして渡米し、現地調査をさらに展開することでアメリカ政治におけるメディアの分極化の全体像に迫っていく。
研究会も年5回程度開催していく。さらに力を入れていきたいのが、個々のメンバーと意見交換である。これは、全員で会議ができない場合に対応するものだが、少人数(2人や3人)で意見交換すると、研究の進捗状況や今後の課題がはっきり見えてくる傾向にある。学会や外部研究会などの様々な機会をみつけ、本年は代表者が中心となり、個々のメンバーとできるだけ多くの会合を持とうと思っている、
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Causes of Carryover |
日程の効率化のため、個人研究費を利用した渡米調査と科研調査を兼ねたため、26年度に予定した額を繰り越している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度には本科研での調査を中心に再度複数回渡米調査を行い、成果を残していく。
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Research Products
(35 results)