2018 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカの政治過程の変貌における「メディアの分極化」の多角的検証
Project/Area Number |
26285030
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
前嶋 和弘 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (10350729)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 文明 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00126046)
山岸 敬和 南山大学, 国際教養学部, 教授 (00454405)
梅川 健 首都大学東京, 法学政治学研究科, 教授 (40635033)
渡辺 将人 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (80588814)
菅原 和行 福岡大学, 法学部, 教授 (90433119)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アメリカ現代政治 / 政治的分極化 / 政治コミュニケーション / メディアの分極化 / 公共政策 / 議会 / 大統領 / 選挙 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる本年度については、ここ数年のアメリカ政治の最大の変化の一つである政治報道の変化について、政治学の観点から多角的に分析をまとめる形で進めてきた。特に、2017年1月のトランプ政権誕生以降、初めての大きな選挙となる2018年11月の中間選挙における「メディアの分極化」の影響については注視した。分析結果を基礎にして、個々の分析結果を研究会において、検討しながら、統合するフレームワークを構築していった。「メ ディアの分極化」をめぐっては、アメリカ政治のアクターのそれぞれが互いに影響し合い、政治過程全体に影響が及んでいる点が重要であるため、アクター相互の連携などについても研究会で入念に検討した。
前嶋和弘は、アメリカにおけるメディアと政治の関係、特に放送メディアの政治的な立場、中立性(客観性)について、政権関係者、報道関係者、メディア研究者、シンクタンク関係者らに聞き取り調査を行った。さらに、報道の内容について「メディアの分極化」現状を明らかにした。まとめとして、編著として『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019)を著している。
久保文明はメディアと政党、連邦議会とのそれぞれの変化について、アメリカの政策関係者との意見交換、資料収集を行った。山岸敬和は公共政策形成におけるメディアの役割を分析するため、オバマ政権の医療制度改革やトランプ政権が進めたその撤廃の動きを例にとり、政策形成過程の中でどのように メディアが関連しているか解明をすすめた。菅原和行は、メディアと官僚の関係について分析した。渡辺将人は、2018年中間選挙における政党とメディアの関係の変化について包括的な聞き取り調査を行った。梅川健はメディアと司法、大統領とのそれぞれの関係の変化について、政策関係者について分析を深めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に推移しており、代表者、分担者もほぼ全員が日程通りに渡米(一回、もしくは複数回)し、聞き取り調査や資料収集などを行ってきた。研究会も年5回開催しているただ、2018年アメリカ中間選挙の動向分析を学会発表、論文投稿に十分反映させるために、より多くのデータの公開を待ったり、資料を集める必要があり、最終年度に計画していた学会発表、論文投稿、シンポジウムの一部を次年度に先送りしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
学会発表、論文投稿、シンポジウムの一部を2019年度に開催する。また、研究結果をまとめ、さらなる次の研究に発展させていく。
|
Causes of Carryover |
最終年度に計画していた学会発表、論文投稿、シンポジウムの一部を次年度に先送りしたいために延長を希望した。2018年アメリカ中間選挙の動向分析を学会発表、論文投稿に十分反映させるために、より多くのデータの公開を待ったり、資料を集める必要が明らかになったためである。
|
Research Products
(12 results)