2015 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖経済および開放経済の短期マクロ計量モデル選択に関する理論応用分析
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26285049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 元嗣 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00252718)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マクロ経済モデル / モデル選択 / DSGEモデル / インパルス応答関数 / 景気循環 / 確率トレンド / 非線形トレンド / 購買力平価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は主に次の3つの分析で進展があった。1番目に動学パネルデータを用いてマクロ経済の実証分析をするための方法論の研究成果があった。モデルの特定化の誤りの少ない多変量自己回帰モデルを推定するための条件やその検定統計量の性質を確認した。この方法を用いた実証分析として、異なる地域の財価格差の調整速度が財の性質によって異なっている現象を確認した。 2番目にマクロモデル推定時のデータの事前検定に関する方法論の研究成果があった。特にマクロ経済変数の確率トレンド及び確定トレンド除去に関して、非線形を考慮した複数の方法を開発した。 3番目に実際にデータを用いたマクロ経済モデルの実証分析では、価格改定時の調整費用の非対称性や中央銀行の政策関数に課されるゼロ金利制約を考慮した非線形動学確率一般均衡(DSGE)モデルを推定した。モデル選択基準を用いて、提案されたモデルが他のモデルよりもデータのあてはまりがよいことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画はマクロモデル選択と推定に関する方法論と実証分析の2つに分けることができるが、両者ともにその研究成果が複数の学会で報告され、既に学会誌に採択が決まったものもある。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの研究はおおむね順調に進捗しており、現段階で計画遂行上の問題点はない。今年度以降も計画に沿って研究を進める予定である。
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Research Products
(9 results)