2014 Fiscal Year Annual Research Report
企業のクレジットリスクを考慮した投資行動と資金調達の相互作用に関する研究
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26285071
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
芝田 隆志 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (70372597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 正明 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (00186222)
西原 理 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20456940)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 企業金融 / ファイナンス / オプション理論 / リアルオプション / 情報の非対称性 / 最適資本構成 / 資金制約 / 金融工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は,学術論文12本(すべて査読つき国際学術誌),学会発表15回(国際13回,国内2回),書籍1冊に集約される. 具体的な研究成果は次の5つに大別される.(1)複占市場のモデルを構築し,企業間の相互依存関係を考慮した上で,各企業の投資戦略と資金調達の相互作用についてのメカニズムを明らかにした.(2)企業の資金調達の方法として銀行借入あるいは社債発行という負債選択モデルを構築し,投資戦略と資金調達の相互作用について分析した.特に,資金制約が強くなるにつれて,企業は銀行借入を選択する傾向があることを示した.(3)最適な投資タイミングおよび最適な投資量を導出するモデルを構築し,企業の投資戦略と資金調達の相互作用について分析した.特に,資金制約は最適な投資量に影響を与えないことを示した.(4)企業が投資資金として内部留保を用いて投資を実行するモデルを構築し,内部留保の資金制約が投資行動に与えるメカニズムについて明らかにした.(5)金融オプションを評価するための極めて精緻な近似法の開発に成功した. 本研究課題では,2014年11月に外国人9名および日本人4名を招聘して,国際ワークショップを首都大学東京(秋葉原サテライトキャンパス)にて開催した.ワークショップを通じて意見交換を行い,本研究課題の先端研究の拠点としての機能を確立しつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
理由は,数多くの国際学会への参加によって,国際的に活躍している研究者と,研究プロジェクトの内容について意見交換をすることができ,初年度にも関わらず,国際学術誌(すべて査読付き)に12本の論文が掲載されたからである.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究では,企業の資金調達における制約条件が投資額に依存しているが,今後の研究では,企業の資金調達における制約条件を担保に依存させたモデルを構築し,企業の投資行動と資金調達の相互作用についてのメカニズムを明らかにする.
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