2014 Fiscal Year Annual Research Report
サプライチェーン・リスク・マネジメントと事業継続計画のためのシミュレーション分析
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26285083
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
白井 宏明 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (70334620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 亮 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (00178790)
田名部 元成 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (10313462)
松井 美樹 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (70173789)
成島 康史 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (70453842)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経営情報 / サプライチェーン / 事業継続マネジメント / 言語的定性的ビジネスゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究全体の基盤となるビジネスゲーム開発環境を拡充するため,従来の数値データによる定量的シミュレーション機能に加えて,言語的データを用いる定性的シミュレーション機能を指向し,企業内に情報システムを導入する際のリスクマネジメントに対する集団的な学びを得るためのビジネスゲームを開発した.このゲームを国際学会でのワークショップにおいて実施してデータを収集し、言語的定性的ゲームの戦略的意思決定に対する有用性を確認した。 また,サプライチェーンにおける品質マネジメント、イノベーション、在庫管理、情報システム活用等に関する実証的研究を通じて、サプライチェーンの効率性と俊敏性を高めるために必要な要件を探り、それを体験できるゲームの開発に向けた基礎を確立した。さらに、サービス分野における類似の問題に対する実証分析を通じて、製造物とサービスの提供システムの違いについて検討した。サービスのサプライチェーンについては,その定義として、サービスを提供するためのプロセスのそれぞれの活動や業務実行を行う設備と人との関係を検討した. ビジネスゲームの試作評価としては,製造業業界に注目し、原材料の調達が競合状態となり原材料不足が発生するリスクを伴うようなゲームを実行し、データを収集した.またサプライチェーン内での同業者の競合状態を表現するため、市場価格を決定する方法を提案した。さらにオートポイエーティックシステムにもとづくエージェント・ベース・モデリングの可能性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献レビューや面接調査によりサプライチェーンとリスクマネジメントに必要な要素を洗い出し,それをもとにビジネスゲームのプロトタイプを試作評価した.この結果,今後のプラットフォームとなる言語的定性的ビジネスゲームの仕組みを整理し,内外の学会発表を通じて,今後の研究の方向性を確認した.これらの活動により,初年度の計画をおおむね達成した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発してきたビジネスゲームを他大学にも公開し,各大学での実施結果をフィードバックすることで,ビジネスゲーム開発環境の強化と,ゲーム自体の改良を進める.サプライチェーンゲームについては,リスクマネジメントによる事業継続を盛り込んだプロトタイプを,言語的定性的ビジネスゲームとして試作し,物の流れだけでなく,企業や人の協調や合意形成を含んだモデルとしての検討を進めていく.これらの活動状況を内外の学会等で報告し,他の研究者との意見交換を通じて,研究を一層推進していく.
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Causes of Carryover |
物品購入時の見積もり誤差(定価と納入価格の差)等により端数が累積したものである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額が少額のため次年度予算に合算して海外旅費の一部に充当するなどして有効活用する.
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