2014 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル市場主義進展下における日本型人的資源管理システムの体系化
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26285086
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上林 憲雄 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00243296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 光俊 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10346281)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経営学 / 人的資源管理 / 日本型経営 / グローバリゼーション / 市場主義 / グローバル市場主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル市場主義進展下における日本企業への影響を分析すべく,本年度はとりわけHRMシステムに限定せず,いわゆる日本型経営システム全般への影響について分析することを主眼に置いた。文献調査や理論的研究・実証研究の結果,おおむね,以下の点がわかった。 第一に,日本企業は,1980年代のいわゆる日本的経営が注目されていたころに比べ,明らかに変化を遂げていることである。第二に,これらの変化をもたらした背景要因として,経営活動のグローバリゼーションの進展,とりわけアメリカ型の企業経営システムの影響が挙げられることである。第三には,これら日本企業の経営システムの変化の程度は,経営の各側面によって差違があるということである。第四に,経営制度(特にガバナンス)面においては,日本企業においてもアメリカ型のガバナンスシステムが志向されたが,導入企業ではその逆機能が顕在化している点である。第五に,戦略面では,市場主義の浸透が進み,グローバル市場で収益が拡大できるような体制が志向されている。とりわけ財務や情報技術の側面において,グローバル基準に合わせようとする志向性が顕著にみられる。そして第六に,組織面・人事面では,アメリカ型に近い仕組みを取り入れつつも,他方で「日本的」なあり方も残存させており,むしろ日本企業のコンテキストに合った仕組み作りが模索されていることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5年にわたる研究計画の初年度として,今後どういった点にフォーカスを当てて研究していくべきかが判明しており,おおむね順調に進捗していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定では,次年度は海外企業調査と日本企業調査を実施し,比較対照させる予定であったが,海外情勢不安などの諸事情により,部分的に変更する可能性もある。とりわけ,日本企業に主軸をおいたインタビューを中心とする調査に代替させることを考えている。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りの額を使用したが,購入した消耗品等で一部価格が変わっており,わずかながら残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度中に適切に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)