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2015 Fiscal Year Annual Research Report

京都ものづくり企業のソーシャルキャピタルとブランド生成の調査分析

Research Project

Project/Area Number 26285093
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

安田 雪  関西大学, 社会学部, 教授 (00267379)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 生稲 史彦  筑波大学, システム情報系, 准教授 (10377046)
東 正志  京都文教大学, 総合社会学部, 講師 (20436497)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords京都企業 / ネットワーク / 民泊
Outline of Annual Research Achievements

「京都ものづくり企業のソーシャルキャピタルとブランド生成の調査分析」研究は、京都ものづくり企業の定義、そのソーシャルキャピタルの特定、京都ブランドの生成という三つの部分にわけられる。本研究チームでは、藤本隆宏による広義の「ものづくり」の概念に立脚し、いわゆる「製造業」だけをものづくりとはみなさず、設計情報の転写を行なう活動をものづくりとみなすことで研究チーム内で合意した。
そのうえで、先行研究のレビュから「京都企業」という概念の多義性が確認されたため、京都企業に対して独自の定義を与え、一連の企業群を特定し、その概要についてのデータベースを構築した。それらの企業群について、立地を可視化した図をアナログで作成し空間認知のためのモデルを作成した。これら京都企業のもつ主要取引先について必要と見込まれるデータのフラグ整理が進行中である。
京都ブランド及び京都に関するイメージについての事例研究としては、(1)京都アニメーション産業への文化庁による政策的支援についての事例研究を進め、現場のリアリティに根ざした政策立案、実行が有効であるという仮説を確認した。(2)京都の酒文化についての事例研究を進め、そのネットワークの拡大プロセスについての事例研究を進めている。また、(3)京都への観光客の増加をうけ、現在のインバウンド政策、京都の民泊と観光客・宿泊客の増加についての概要を検討し、その問題点を、経済政治研究所にて論じるなど、マクロの分析も進めている。
アメリカ社会学会の年次大会で、日本企業への従業員の定着にいかに人間関係が影響を及ぼすかについて、報告を行ない、日本・京都の企業に対する、海外の研究者からのイメージについての情報交換やヒアリングを行なうなど、「ブランドの生成及び維持を促進するメカニズム」についての国内外での学会・研究会での意見交換を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

京都企業についての定義、詳細のデータベースづくりに向けてのデータ整理やフラグ項目の確認など、おおむね順調に進展している。ものづくり企業のもつソーシャルキャピタルについては理論と概念枠組みの整理が、必要である。一方、質問紙調査の設計が予定よりも時間がかかっており、今年度は企業調査を進めることに注力したい。また、研究チーム内の役割分担を見直すことを検討し、あらたに企業のブランディングとマーケティングに関する理論枠組みの検討や、調査設計に協力をいただくかたを探して、協力関係をとりつけるめどがついたことも、研究の順調な進展に寄与すると考えている。

Strategy for Future Research Activity

京都ブランドの本質についての、定性的研究を進めるとともに、京都企業の取引先の取引先といった、二次先、三次先の取引先までをも、ほりおこしていくような調査を行う。ブランディングとマーケティングについての理論枠組みの整理を行う。京都に存在する、業種をこえての人間関係のありかたについてのヒアリングを進める。研究を遂行するうえでの課題は、経理・事務処理が煩雑すぎ時間がかかるため、迅速な機材や物品の購入・利用が行えず、昨年度の例では、個人で調達できない20万円以上のノートパソコンの機種選定が行われたのち、発注から現物の入手までに数か月を要するような事態が発生していることなど、経理・事務処理にに関わる作業を最小限にし、効率をあげる体制を整える必要を痛感し、研究に必要物のロジスティクスには、著しい改善が必要である。また、代表者と研究分担者が地理的に分散しているため、研究室からの電話連絡に困難があり、連携に困難があった。研究チーム内では、IT環境と情報環境のすみやかな改善を行い、メール以外の情報交換可能な体制を改善し、apple watch などを含む迅速な通信機器を用いた連絡体制のインフラのたてなおしに、力を入れたい。

Causes of Carryover

ソーシャルキャピタルのネットワーク調査におけるキーパースンが突如、ご逝去されたため、調査の設計を改める必要が生じた。調査の項目及び、既に入手してあるデータについてどの程度まで開示してよいのか、現在、関係者とのあいだで調整が必要となっており、前年度中に調査設計が十分にできかったことが、次年度使用額が生じた理由である。あらためてサンプルの起点となるターゲットを選定しなおし、ネットワーク調査を今年度に進める予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

ご逝去されたかたの関係者とのデータ公開可能範囲、調査実施可能範囲の調整が済み次第、京都ものづくり企業のソーシャルキャピタルに関わるネットワーク調査にとりかかる予定である。なお、質問項目や調査票の再設計などの下準備部分については、関係者との合意を前提として、現在から粛々と進めていく。

  • Research Products

    (6 results)

All 2016 2015

All Presentation (5 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 遊びからビジネスへ: 日本とアメリカにおけるゲームの産業化 (From Fun to Business: the industrialization of computer games)2016

    • Author(s)
      生稲史彦・清水洋・江藤学・木村めぐみ
    • Organizer
      京都ゲーム カンファレンス
    • Place of Presentation
      立命館大学
    • Year and Date
      2016-03-17
  • [Presentation] 価値共創プロセスとして営業活動―Eigyo as a value co-creation process2016

    • Author(s)
      生稲史彦・稲水伸行・佐藤秀典
    • Organizer
      『第6回知識共創フォーラム』インタラ クティブ・セッション
    • Place of Presentation
      北陸先端科学技術大学院大学
    • Year and Date
      2016-03-12
  • [Presentation] 民泊と合意形-Airbnbの事例2016

    • Author(s)
      安田雪
    • Organizer
      経済・政治研究所
    • Place of Presentation
      関西大学
    • Year and Date
      2016-01-13
  • [Presentation] Turnover Intentions Among Young People and Workplace Relations2015

    • Author(s)
      Yasuda, Yuki
    • Organizer
      American Sociological Association, Annual Conference
    • Place of Presentation
      Chicago,IL、USA
    • Year and Date
      2015-08-23
  • [Presentation] コンテンツ産業の政策制度設計-文化庁「アニメミライ」事業の分析を通じ て-」2015

    • Author(s)
      生稲史彦・原泰史
    • Organizer
      組織学会
    • Place of Presentation
      一橋大学
    • Year and Date
      2015-06-20
  • [Book] 経済社会学キーワード集 「構造的空隙」項目執筆2016

    • Author(s)
      安田雪
    • Total Pages
      336
    • Publisher
      ミネルヴァ書房

URL: 

Published: 2017-01-06  

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