2016 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルメディア時代の政治的公共性とナショナリズム
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26285121
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
伊藤 守 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30232474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水嶋 一憲 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (20319578)
毛利 嘉孝 東京藝術大学, その他の研究科, 教授 (70304821)
阿部 潔 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90242156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メディア / 政治的公共性 / ナショナリズム / ソーシャルメディア / コミュニケーション資本主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の伊藤守が在外研究のためドイツのボン大学で研究を行った。そのため、研究会の開催は、9月にボン大学で2日間、ボン大学の教員を含めた、公開研究会を開催したのみであるが、両日とも移民・難民をめぐるドイツと日本の課題とそれに関するメディア報道、従軍慰安婦問題に関する日本メディアの報道とドイツの研究者から見た従軍慰安婦をめぐる日韓関係、フクシマ原発事故以降の報道などに関して議論を行い、「政治的公共性」とナショナリズムに関する広範囲な意見交換を行うことができた。 このように研究代表者と研究協力者が一同に会する機会は少なかったとはいえ、それぞれがこれまでの研究成果をふまえ、国内外の学会で報告し、かつ国内外の学会誌で研究成果を公表するなど、精力的に活動した。代表者の伊藤は、ライプチヒ大学のリヒター教授主催の研究会ならびに公開ワークショップに参加して報告、ケルン日本文化会館主催の講演会で発表、韓国カルチュラル・スタディーズ学会において招待講演等を行うとともに、国内学会誌『マスコミュニケーション』研究89号に依頼論文を掲載して研究成果を公表している。研究分担者の毛利は、インターカルチュラルスタディーズ学会における報告、東京大学で開催された日本マス・コミュニケーション学会での報告、ソウル・ナショナル・ユニバーシティーでの報告を行い、国内外の雑誌に論文を掲載した。水嶋一憲は、ボン大学における公開研究会での報告、国内雑誌『フランス哲学・思想研究』に論文掲載、『現代思想』での翻訳等で研究成果を公刊し、阿部潔もアメリカで出版された専門書で論文を発表するなど、幅広く研究活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9月にボン大学で開催した研究会にむけて、研究分担者、研究協力者がそれぞれ研究の成果発表を準備し、報告後は成果の公刊に向けて努力している。概ね、研究は順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、これまでの研究の成果を国内外に公表すべく、7月刊行予定で専門書の出版を予定している。そこで、前期は1回ないし2回の研究会を開催して発表予定論考の検討を行う。後半は刊行した著作の内容を、国内外の学会で報告し、今後の一層の理論的展開をはかることに努めたいと計画している。発表を予定しているのは、AAS(Association of Asia Studies)、ドイツ・ライプチヒ大学主催国際シンポジウム、社会情報学会等である。 また捕捉調査として、沖縄基地問題をめぐる報道、ネット環境に関する聞き取り調査、ならびに数量的分析を行い、これらの研究も2018年度に報告書といったかたちで公表することを考えている。
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Research Products
(11 results)