2015 Fiscal Year Annual Research Report
全国コホートによる虐待等不適切な養育環境への根拠に基づく早期支援プログラム開発
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26285130
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安梅 勅江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20201907)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、下記の研究を実施した。 1.「不適切な養育環境への早期支援プログラム」の実施とプロセス評価(担当:安梅、田中裕、酒井、宮崎)保護者に対する郵送調査(家庭環境と支援ニーズに関する実態把握)、医療・福祉・教育専門職による子どもへの面接・観察調査(子どもの心身の健康と課題に関する専門的な評価)を実施した。専門職による子どもの発達状態、健康状態、社会適応、問題行動の評価、保護者に対する質問紙調査、専門調査員による家庭環境評価、面接調査、環境評価を行い、評価の妥当性を検証しつつ不適切な養育環境の特性別パネルコホートを用いた支援プログラムのプロセス評価を行った。支援プログラム実施群とコントロール群において、子どもの発達状態、健康状態、社会適応、問題行動につき、保育環境、家庭環境、家族と子どもの属性要因の影響を除いて比較分析した。 2.「不適切な養育環境への早期支援プログラム」の「保育の質の評価指標」への反映 申請者らがすでに開発している「保育の質の評価指標」の枠組みである「子ども」「家族」「保育環境」「連携」の4領域について、家庭、子育て支援機関、地域との連携により「不適切な養育環境への早期支援プログラム」を反映した形で総合的に展開できるよう検討を加えた。 3. 思春期に及ぶ「不適切な養育環境」の経年推移と関連要因に関する補完調査(担当:田中笑、冨崎、渡辺、望月)前年度に多変量軌跡分析で明らかにした根拠を反映した補完調査を実施し、妥当性の検証を含め、さらに確固とした経年的な影響要因を把握した。 4. 評価に基づく「不適切な養育環境への早期支援プログラム」の改訂版の作成(全員)プロセス評価と「保育の質の評価指標」の枠組みを加味し、「不適切な養育環境への早期支援プログラム」の改訂版を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに遂行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には、最終年度として下記の研究を実施する。 1.「不適切な養育環境への早期支援プログラム」のアウトカム評価の実施(担当:安梅、田中裕、酒井、宮崎)保護者に対する郵送調査(家庭環境と支援ニーズに関する実態把握)、医療・福祉・教育専門職による子どもへの面接・観察調査(子どもの心身の健康と課題に関する専門的な評価)を実施する。専門職による子どもの発達状態、健康状態、社会適応、問題行動の評価、保護者に対する質問紙調査、専門調査員による家庭環境評価、面接調査、環境評価を行い、評価の妥当性を検証しつつ気なる子どもの特性別パネルコホートを用いた不適切な養育環境への早期支援プログラムのアウトカム評価を行う。支援プログラム実施群とコントロール群において、子どもの発達状態、健康状態、社会適応、問題行動につき、保育環境、家庭環境、家族と子どもの特性要因の影響を除いて比較分析する。 2.アウトカム評価に基づく「不適切な養育環境への早期支援プログラム」最終版の作成(全員)アウトカム評価を反映させ、介入研究成果に基づいたプログラム最終版を作成する。 3.「不適切な養育環境への早期支援プログラム」の実践活用モデルの提案(全員)実践の場で活用しやすいさまざまなモデルを提案する。 4.「不適切な養育環境」の特性別の軌跡と影響要因、支援の効果に関する科学的な根拠の提示(全員)「科学的な根拠」として活用可能なコホート研究に基づく成果を、ホームページで広く公開する。
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Causes of Carryover |
最終年に成果普及のためのWEB作成などに予算を残したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
普及のためにWEB作成を行う。
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