2017 Fiscal Year Annual Research Report
How worries about radiation exposure influence psychological health and development
Project/Area Number |
26285148
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
筒井 雄二 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70286243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氏家 達夫 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00168684)
内山 登紀夫 大正大学, 心理社会学部, 教授 (00316910)
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70195444)
高谷 理恵子 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (90322007)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 原発事故 / 心理的影響 / 子ども / 母親 / 放射線不安 / リスク / 放射線 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度にチェルノブイリ事故後30年が経過したウクライナと,事故後5年が経過した福島で原発事故による心理的影響に関する比較調査を実施した。29年度はデータの解析および調査の実施に関わったウクライナ側と日本側の合同研究検討会を開催した。研究で使用した放射線不安スケールと放射線ストレススケールで評価した放射線不安や放射線ストレスについて,母親を分析対象としたところ,ウクライナの母親の放射線不安および放射線ストレスは福島の母親に比べて高く,特にチェルノブイリ事故当時,小さな子どもの母親で現在50歳代の女性の放射線不安や放射線ストレスが現在でも顕著に高いことが明らかとなった。ウクライナ側調査協力者によれば,50歳代女性にとってはチェルノブイリ事故の経験が現在でも人生の中でもっとも大きなネガティブな経験となっており,その影響が30年以上にわたり続いている可能性を指摘した。 また,原発事故から6年後,7年後における食品の放射線リスクに対する態度や情報源の信頼性評価の地域差と時間的推移,それらの規定要因を検討する目的で調査を実施した。同調査は2011年の調査を第1波とし,2017年の7波までの調査データに基づいて分析をおこなった。さらに,2018年3月に8波のパネル調査を実施した。調査対象は,被災県,首都圏,関西圏の20-50代既婚男女で,1回目の回答者は1752名であった。結果は,[放射性物質による健康影響不安]はどの地域でも時間経過によって低下した。また,[放射線知識・情報収集]に関しては,被災県・首都圏よりも関西圏は評定値は低かった。交差遅れモデルを用いて分析した結果,[放射性物質による不安]が,[メディアの楽観バイアス認知]を媒介して[福島産の食品回避]に影響を及ぼすのに対して,[批判的思考態度]の高さは,[福島産の食品回避]を抑制することが明らかになった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)