2016 Fiscal Year Annual Research Report
環境からの要約的特徴抽出に基づく適応的知覚処理の解明
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26285162
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
木村 英司 千葉大学, 文学部, 教授 (80214865)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一川 誠 千葉大学, 文学部, 教授 (10294654)
溝上 陽子 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (40436340)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 実験系心理学 / 知覚 / 適応 / 順応 / 要約的処理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
環境からの要約的特徴抽出処理に関する研究では、いくつかの知覚属性について検討を進めた。まず明るさに関しては、輝度分布の平均だけでなくバラツキに基づいて刺激間の弁別が可能であり、課題遂行成績が分散によって説明可能であることが示された。刺激の持続時間の処理に関しても検討を行い、1秒程度の提示時間において、複数の刺激を提示された場合、各要素刺激に対する持続時間を並列的・自動的に処理し、平均の知覚を行うことができるか調べた。各要素刺激の持続時間の知覚が困難でも、刺激全体の持続時間平均の知覚を行えることが見出された。
知覚機能の適応的補正過程における研究では、通常の観察条件と、フォギーフィルターを用いて視界にかすみをかけた条件で、自然画像に対する彩度知覚を調べた。自然な彩度範囲を求める実験を行なった結果、フォギーフィルターを通した観察条件では、視界の彩度が低下するにもかかわらず、彩度知覚は通常条件とほぼ同等であった。これは、かすみによる視界の変化に対する瞬間的で強力な補正効果を示唆するものである。
生態学的環境と知覚的符号化の相互依存性に関しては、自然風景画像の一部から色情報を取り除き、短時間提示条件下でそれをどれだけ感度良く検出できるかを検討した。色識別性という情景と色との統計的な結びつきの強さの効果は見られなかったものの、自然画像の色を補色へと変換すると色の欠損に気づきやすくなることが明らかとなった。信号検出理論に基づく分析により、生態学的環境の統計的特徴に即した刺激では、本来存在するはずの情報の欠損に気づきにくいことが示唆された。
運動－感覚間や視聴覚間での時間関係に関する要約的処理特性に関しては、時間的再較正の時間関係についての気づきへの依存性が課題によって異なることが再確認された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の各課題（要約抽出と知覚処理の最適化過程の解明、知覚機能の補正過程の解明、生態学的環境と知覚的符号化の相互依存性の解明、感覚様相間、運動－感覚間での一貫性維持過程の検討）に関して、研究代表者および研究分担者が、それぞれ主担当となって推進し、着実に研究成果をあげ、それを学術論文や学会発表という形で公表することができたため。
ポスドク研究員を本年度から雇用する計画であったが、採用に時間がかかり、雇用は来年度に持ち越すことになった。このため、一部の課題は少し遅れることになったが、他の課題は十分に進んでおり、研究全体の進展としてはおおむね順調だと言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成29年度はポスドク研究員の雇用も確実となったため、本研究の検討課題のうち、主として知覚機能の補正過程の解明に関して、重点的に検討を進めてもらう予定である。
研究代表者と研究分担者が主担当となっている各研究課題に関しても、これまでの研究を継続するとともに、研究申請書に記載した新たな研究を順次展開していく。
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| Causes of Carryover |
平成29年度にはポスドク研究員を雇用し、さらに研究を推進することを計画している。雇用のための人件費の試算額に基づき、必要な予算を繰り越したため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
ポスドク研究員１名の人件費の一部にあてる。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] A new quantitative evaluation method for age-related changes of individual pigmented spots in facial skin2016
Author(s)
Kikuchi, K., Masuda, Y., Yamashita, T., Sato, K., Katagiri, C., Hirao, T., Mizokami, Y. and Yaguchi, H.
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Journal Title
Skin Research and Technology
Volume: 22 (3)
Pages: 318-324
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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