2014 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ各州における高等教育機関の機能分化と研究大学
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26285189
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 彰浩 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60193471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿曽沼 明裕 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80261759)
村澤 昌崇 広島大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00284224)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大学 / 高等教育 / アメリカ合衆国 / 州高等教育システム / 機能分化 / 研究大学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は①州間比較によって州の高等教育機関の機能分化のパターン調査、②機能分化が形成されたプロセスの歴史学的な比較分析、③研究大学の規模や組織構成、専門分野構成など構造の数量的な比較分析、の3点を中心におこなった。 ①については、アメリカへの訪問調査をインテンシブにおこなった。中西部のウィスコンシン州、イリノイ州、インディアナ州、オハイオ州、ミシガン州、東部のノースカロライナ州、バージニア州、ペンシルバニア州、ニューヨーク州、マサチューセッツ州の高等教育コミッション、高等教育調整委員会、大学システム、大学を訪問し、研究大学に対する政府の補助や規制についてインタビューをおこなった。 ②については先行研究の収集と検討に着手した。州レベルの高等教育システムの歴史に関しては、本格的な研究文献が存在する州はわずかに数州にとどまることが明らかになった。それらの文献の分析をすすめるとともに、高等教育にかかわる通史などから州システムに関する言及を拾い出し、分析する作業もおこなっている。 ③については、まずアメリカの研究大学とその州のガバナンス調査データを二次分析し、州レベル・機関レベルのガバナンス形態とその効果についての多様性を確認した。さらに、アメリカとの比較を念頭に、日本の大学管理職を対象とした機能分化に関する2時点間調査データを活用し、研究大学(の志向性)には規模による適正値が存在し、且つ近年ではその志向性の格差が拡大していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、分担者の間で十分な打ち合わせをおこない、研究の目的やゴールについての合意が共有されていたことが、順調に研究をすすめることのできた要因と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も今年度に引き続き①州間比較によって州の高等教育機関の機能分化のパターン調査、②機能分化が形成されたプロセスの歴史学的な比較分析、③研究大学の規模や組織構成、専門分野構成など構造の数量的な比較分析、の3点を中心におこなう。 まず①については、今後は、訪問調査で得た資料やデータの分析を行うとともに、調査内容の改善 をはかり、さらに訪問調査の対象を増やす。また②については前年度におこなった先行研究の検討をふまえ、全米各州の州立高等教育システムに関する歴史的基礎データを整理するとともに、いくつかの州をとりあげ、集中的に資料種州を開始する。またまずは基礎データを用いての論文の執筆をすすめる。③については、昨年度の研究実績を踏まえ、今年度は、アメリカのカーネギー分類データと州のガバナンスデータの連結を行い、統計手法を用いてアメリカの「研究大学」の特性を明らかにし、その影響要因の分析を展開する。
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Causes of Carryover |
調査地における大雪などの天候不順、エボラ出血熱のひろがりの恐れなどにより、調査のための米国出張を見合わせたり、期間を短縮したこと等により、予定した調査がすべて行えなかったことで次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度(平成27年度)および次年度(平成28年度)において当初予定していた調査のための出張を行う予定である。
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Research Products
(3 results)