2015 Fiscal Year Annual Research Report
幸福・効率・公正から再編成する経済教育プログラムの開発
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26285203
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
猪瀬 武則 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (40271788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 久 東洋大学, 文学部, 教授 (00345729)
山根 栄次 三重大学, 教育学部, 教授 (50136701)
宮原 悟 名古屋女子大学, 文学部, 教授 (50239430)
高橋 桂子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
服部 一秀 山梨大学, 総合研究部, 教授 (60238029)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済倫理 / 道徳性基準 / 反省的均衡モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年作成した(1)倫理意識調査の分析、統計処理による解析、(2)昨年度の海外調査をふまえたプログラムの類型化モデル、(3)プログラム開発。(4)中間発表を実施した。 (1) の経済倫理調査分析・統計処理に関しては、大学生535サンプルを回収分析した。9領域28問の経済・倫理概念とJ.ハイトの道徳性基準との相関をみた。経済倫理概念の理解と道徳性基準との相関、および経済倫理の正答率とリバタリアン型の価値概念(自由と公正)の基盤との相関に焦点を合わせたところ、ハイトの5つの道徳性基準(神聖・純粋を除く)と一部経済倫理概念は相関があり、経済倫理の正答率と道徳性基準との相関では、リベラルやリバタリアン型ではなく、保守型であることが判明し、経済倫理概念としての公正/正義の理解は、道徳性基準の公正に基づいていないことが明らかとなった。 (2)前年度の海外調査結果の報告をふまえ、収集された資料分析、プログラム類型化を図り、公益大福(功利主義)志向、自由基盤志向、共同体志向、義務直観志向に分けた。 (3)プログラム開発に関しては、「日常から経済原理と価値概念の相克」プログラムから「反省的均衡モデル」で価値探究するプログラムを開発し、次年度に選定依頼した協力校と協力者に実践の協議をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経済倫理調査に関しては、大学生のサンプルで概ね一定の成果を得たといえるが、開発したプログラムを実施する上で、なお、高校での実態を調べる必要もあるため、補充も検討している。また、プログラムも、当初予定の4種開発したが、実施する上で、補充的に現場教員と開発も必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、開発プログラムの現場実践である。小中高校に拡がるため、その調整とまとめが課題である。 第二に、補充的に予定している高校生サンプルの収集である。年度当初に実施し早々に分析結果を集約する。 第三に、昨年度中間発表と共に、まとめの発表を秋に、そして、年度末にシンポジウムを経て、報告書にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
豪州調査班が学内事情で年度内調査が完了しなかったことと調査分析班が勤務先の変更によって従来の機器分析が出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
豪州調査に関しては、2016年度早々に実施するとの確約を得ている。調査分析班では勤務先変更後の体制が整い、補充調査の集約分析によって、速やかに使用される予定である。
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Research Products
(3 results)