2015 Fiscal Year Annual Research Report
内包粒子の規則配列構造を外場制御できる新規中空コロイド結晶の作製と機能創出
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26286019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長尾 大輔 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50374963)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 中空粒子 / 規則配列 / 可動 |
Outline of Annual Research Achievements |
優れた電場応答性を有するチタニアをコア粒子として選定し、同コア粒子を中空部に内包した粒子(以後、Yolk/Shell粒子)を合成した。本合成プロセスは主に、(1)チタニア粒子をポリマーで被覆する過程、(2)ポリマー被覆した粒子をシリカ層で覆う過程、さらに(3)焼成によりポリマー成分を選択的に除去する過程からなる。焼成した粒子を弱塩基性の水溶液に浸すことで、チタニア粒子とシリカシェル間の焼結が解消され、可動性チタニアコアを内包したYolk/Shell粒子を合成することに成功した。この可動性チタニアコアを内包したYolk/Shell粒子に交流電場を印加したところ、シリカコアを内包したYolk/Shell粒子とは異なる電場応答性が得られた。異なる強度、周波数の電場を2種のYolk/Shell粒子に印加する実験も行った。その結果、シリカシェル内に存在するコア粒子の位置や動きは、コア粒子の誘電率の相違だけでなく、コア粒子表面帯電状態の違いの影響も強く受ける可能性を指摘した。 金ナノ粒子を内包したYolk/Shell粒子の合成も試み、シリカシェル内に金ナノ粒子が一つずつ埋め込まれたYolk/Shell粒子を合成することにも成功した。 Yolk/Shell粒子の3次元集積化(2次元集積体の多層化)については、シリカコアを内包したYolk/Shell粒子を使って、Yolk/Shell粒子の3次元規則配列体を作製した。その結果、3次元集積させてもコア粒子由来の反射スペクトルが得られることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
年度当初に合成を予定していたチタニア粒子内包Yolk/Shell粒子と、金ナノ粒子内包Yolk/Shell粒子の両者を合成することに成功した。チタニア粒子内包Yolk/Shell粒子の合成過程で適切な焼成条件を選定すると、球状チタニアが非球形化する現象を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
可動性コアを内包したYolk/Shell粒子からなる3次元規則配列体を作製し、可動状態にあるコアを規則配列させた集合体に交流電場を印加する。周波数、強度も含めた電場印加条件が内包コアの配置や挙動に及ぼす影響を光学顕微鏡等で観察するとともに、その規則配列体から発せられる光シグナルをスペクトル解析する。観察結果とスペクトルの両者を比較することで、電場応答性光スイッチング材料としての応用の可能性を探索する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、今年度の研究を効果的に推進したことに伴い発生した未使用金額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度請求額とあわせ、平成28年度の研究遂行に使用する予定である。
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