2014 Fiscal Year Annual Research Report
透過電顕を用いたナノ蛍光体単一の光学特性評価と粒子構造との関係解明
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26286026
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
上原 雅人 独立行政法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 主任研究員 (10304742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 庸平 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70455856)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 電子顕微鏡 / 解析・評価 / 光物性 / 表面・界面物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機溶媒中でのナノ粒子の合成について、種々の配位子や温度条件等を検討することで、粒子径の揃ったコアシェルナノ粒子の合成方法をおおよそ確立することができた。シェル層を平均約1.5nmから5nmと変えた試料について評価を行った。高いエネルギー分解能を有する電子線エネルギー損失分光(EELS)システムを用いて、ナノ粒子1個ずつのLow-Lossスペクトル測定を行った。測定条件について様々に検討し、誘電特性解析手法を確立した。粒子径の揃ったナノ粒子を溶液に分散して測定(マクロ測定)した吸収端と、EELSで測定した1個ずつの吸収端はほぼ一致することが確認でき、本測定が有効であることが分かった。多層ナノ構造に起因した誘電応答から各コア・シェル部分の誘電特性の解明を行った。また、それら解析結果と発光機能性との関連性について検証を行った。コア粒子や、シェル層の異なる種々のコアシェル粒子についてEELS測定を行った。その結果、シェル層の厚さの差異によるEELSスペクトルの変化を捉えることができた。さらにEELSシミュレーションと比較することで、多層ナノ構造の解析が可能であることを示した。研究成果について、依頼講演1件を含む、5件の学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノ粒子の合成方法や測定方法、解析方法についておおよそ確立でき、多層構造の差異に起因すると考えられる光学特性をナノ粒子1個ずつから測定し、本測定・解析方法の有効性を実証できていると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
アウターシェルの被覆条件を探索し、光学物性への影響を調査する。電子線の照射による試料ダメージの少ない観察・測定条件を探索し、構造評価法の最適化を目指す。シミュレーションでは、第一近似として理想的な球形のモデルを用いたが、実際の形状を反映したモデルでの計算を試み、形状の影響を検討する。
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Causes of Carryover |
研究はおおむね計画通り進んでいるが、当初の計画よりもナノ粒子の合成に注力することになったため、より詳細な解析のための電子顕微鏡観察の時間などが少なくなった。その結果、装置使用料や外注分析費の支出が少なったが、次年度に詳細な観察・解析を行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
電子顕微鏡使用料や外注分析費、試薬代として使用する計画である。
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Research Products
(5 results)