2015 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノ技術を駆使する組織レベルでの細胞機能制御
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26286031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶 弘和 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70431525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤枝 俊宣 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (70538735)
阿部 俊明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90191858)
岩瀬 英治 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70436559)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノマイクロバイオシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、網膜色素上皮(RPE)細胞の力学応答、および細胞担持ナノ薄膜の回収法を主に検討した。RPE細胞の力学応答評価に関しては、昨年度検討したバルジ試験機構を改良して力学的刺激負荷システムを作製した。円筒形状のプラスチックの片面にポリジメチルシロキサン(PDMS)の薄膜を張り付け、PDMS上で細胞を播種・培養する。PDMS薄膜には培養液の液圧がかかっており、システムを宙に浮かすことで薄膜が二軸引張により変形して細胞に力学刺激を負荷できる。軸性近視の眼球は、正常な眼球に比べ、眼軸長が長く網膜の面積が広がっていることが知られている。これを模してPDMS薄膜を変形させ、モノレイヤー組織を形成したRPE細胞に刺激を負荷したところ、負荷前に比べ、単位面積当たりの細胞数が減少し、個々の細胞面積が増加していることがわかった。また、刺激負荷後には、血管内皮成長因子の分泌量が減少した。加齢黄斑変性等の網膜疾患においては、RPE細胞が扁平、肥大化することが知られているが、今回得られた結果は、力学環境の変化がRPE細胞の肥大化を誘発する一要因であることを示唆している。細胞担持ナノ薄膜の回収法に関しては、チオール類の自己組織化単分子膜(SAM)の利用を検討した。金基板上にL-システインのSAMを形成させた金基板上に乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)のナノ薄膜を張り付け、その上で細胞を培養した。金電極に還元電位を印加し、金表面からSAMを脱離させると、わずかな水流で細胞担持ナノ薄膜が基板から剥離した。水溶性の犠牲層を利用した方法では細胞担持ナノ薄膜を回収するタイミングを制御することに課題があったが、今回開発した手法で細胞担持ナノ薄膜を必要に応じて回収することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り研究が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
大幅な研究計画の変更は考えておらず、当初の計画に沿って、眼底組織を模倣するオーガンチップデバイスと自己支持性高分子ナノ薄膜を用いる細胞デリバリーを相互に関連付けながら研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
人件費の支出がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に試薬を予定より多く購入する必要があり、その費用に充てる。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Three-dimensional co-culture of C2C12/PC12 cells improves skeletal muscle tissue formation and function2016
Author(s)
Serge Ostrovidov, Samad Ahadian, Javier Ramon-Azcon, Vahid Hosseini, Toshinori Fujie, S. Prakash Parthiban, Hitoshi Shiku, Tomokazu Matsue, Hirokazu Kaji, Murugan Ramalingam, Hojae Bae, Ali Khademhosseini
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Journal Title
J. Tissue Eng. Regen. Med.
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] A microfluidic cell culture model of the ocular fundus2015
Author(s)
Li-Liun Chen, Shunichi Tsunajima, Kuniaki Nagamine, Matsuhiko Nishizawa, Nobuhiro Nagai, Toshiaki Abe, Hirokazu Kaji
Organizer
7th International Symposium on Microchemistry and Microsystems (ISMM)
Place of Presentation
Kyoto, Kyoto Univ
Year and Date
2015-06-08 – 2015-06-10
Int'l Joint Research
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