2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on ferroelectric resistive switching in ferroelectric tunnel junctions and ferroelectric diodes
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26286055
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
澤 彰仁 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 副研究部門長 (10357171)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / 電子・電気材料 / 強相関エレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
強誘電抵抗スイッチングの特性制御手法の開発と特性向上を目指して、本年度は電極材料と結晶性が抵抗スイッチング特性に与える影響を調べた。SrTiO3基板上に下部電極(La,Sr)MnO3(LSMO)と強誘電トンネルバリア層BaTiO3(BTO)のエピタキシャル膜をPLD法により作製し、その上に単純金属のCo、多結晶の酸化物金属RuO2の上部電極を形成して強誘電トンネル接合素子を作製した。パルス電圧印加による繰り返し抵抗変化特性(Endurance)を評価した結果、Coを上部電極とする素子では約100サイクルから高抵抗状態、低抵抗状態ともに抵抗値のバラつきが発生したのに対し、RuO2を上部電極とする素子では1000サイクルを越えても安定した抵抗変化が観測された。この結果は、Coを上部電極とする素子では抵抗変化繰り返しによりCo/BTO界面で酸素欠損が生成し、強誘電性の消失または分極ドメインのピン止めにより抵抗スイッチング特性が劣化したのに対し、酸化物RuO2を上部電極とする素子では酸素欠損の生成が抑制され、1000サイクルを越えても安定した分極反転が実現しているためと考えられる。さらに、上部電極をアモルファスのRuO2にすることにより、1億回以上の抵抗変化繰り返しと、数十万サイクルの抵抗変化繰り返しにおいて抵抗値分布の標準偏差が約3%の高安定性を実現した。この結果は、アモルファスにすることにより、界面の歪や欠陥生成が抑制されたためと考えられる。以上の結果から、強誘電抵抗スイッチングの特性劣化の主な要因は電極/強誘電体界面の酸素欠損生成であることが示唆され、特性制御・向上には酸素欠損生成を抑制できる酸化物金属電極が有効であることを示した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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