2015 Fiscal Year Annual Research Report
サブTHz繰返し短光パルス列を用いた高速・広帯域デュアルコムCARS分光法の開拓
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26286067
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
石澤 淳 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (30393797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小栗 克弥 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (10374068)
西川 正 東京電機大学, 工学部, 教授 (20374069)
日達 研一 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 研究主任 (60564276)
増子 拓紀 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (60649664)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光周波数コム / デュアルコム分光 / 位相変調 / スーパーコンティニューム光 |
Outline of Annual Research Achievements |
デュアルコム分光法は従来の可動鏡を用いたフーリエ分光に比べて、広帯域で高分解能な分光を飛躍的に短時間で行う手段として近年注目されている。しかしながら、高度に位相同期された2台の短パルスモードロックレーザーを必要とし、その一般への普及を妨げて来た。そこで、モードロックレーザーの代わりに位相同期制御を必要としないフリーランニングCW半導体レーザーをベースとし、位相変調器を用いるデュアルコム分光システムを開発した。今年度は、位相変調器を用いるレーザー光源を用いるデュアルコム分光において、1. 広帯域かつ高分解能、2. 広帯域かつ高速なデュアルコム分光法を目指した研究を行った。詳細を以下に示す。 1. 広帯域かつ高分解能なデュアルコム分光:通信波長帯のフリーランニングCW半導体レーザーを2台用い、4 THz帯域で、分解能が250 MHz分解能のデュアルコム分光法を提案し、気体サンプルを用いて実証した。更に、高分解能を実現する為、パルスピッカーを用いて、繰返し周波数を低減する方法を提案した。本結果は、CLEO国際会議(米国)、応用物理学会で口頭発表した。 2. 広帯域かつ高速なデュアルコム分光:25 GHz繰返しの位相変調器を用いるレーザー光の帯域幅を、高非線形ファイバーによってスペクトル帯域幅を拡大し、広帯域かつ高速なデュアルコム分光を提案した。液体サンプルを用いて、10 Hz帯域幅の吸収スペクトルを約10マイクロ秒で計測することに成功した。本結果は、CLEO国際会議(米国)、応用物理学会で口頭発表した。
来年度は、分光可能な周波数帯域の更なる拡大と高分解能を実現する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種類のデュアルコム分光法(①広帯域かつ高分解能なデュアルコム分光、②広帯域かつ高速なデュアルコム分光)を提案し、実証できた。その結果、国際会議2件、国内会議2件の口頭発表を行った。来年度は、更なる高速かつ広帯域なデュアルコム分光を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、更なる広帯域かつ高分解能なデュアルコム分光を目指して研究を推進する。まず、広帯域性については、我々が考案したエルビウム添加光ファイバーアンプ中での自己位相変調効果を利用したパルス圧縮法を用いて、短パルス発生を行い、その後、高非線形ファイバーへ光結合し、帯域500 nm以上の広帯域光発生を目指す。また、高分解能については、狭線幅レーザー(線幅1 Hz)を参照光源として用い、位相変調器を用いたレーザー光源の線幅を狭窄化することを行うことで、このレーザー光源を用いたデュアルコム分光法の限界に挑戦する。
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Causes of Carryover |
次年度への繰り越しは年度末に無理にピッタリ予算を使い切るのを避けるために生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、398,809円のため、次年度の使用計画の大枠には変更を生じない。
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Research Products
(17 results)