2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26286080
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
繁政 英治 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 准教授 (90226118)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 信博 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 教授 (20153546)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 短波長自由電子レーザー / 超蛍光 / 極紫外 / 軟X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、世界で初めてとなるEUVから軟X線領域での超蛍光の発生を目指し、超蛍光用発光分光器を新規開発する。これを用いて、現在SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)に建設中の新しいFEL施設SCSS+において、短波長FEL励起によるEUV及び軟X線超蛍光の観測に挑戦し、短波長超蛍光の発生条件を確立することを目的とする。科研費申請当時に設計していた2つの回折格子を使用する超蛍光用発光分光器は、予算の制約のため製作を断念せざるを得ないと判断し、分光器の再検討を行った。超蛍光は、FEL光と同軸方向に強い指向性を持って放射されるので、超蛍光用発光分光器は、FEL下流側の同軸上に設置する必要がある。我々が超蛍光実験の試料として用いるのは気体であるため、最も高効率に超蛍光を観測するためには、分光器の入射スリット部分に高密度試料ガスを閉じ込めるセルを導入する必要がある。そこで、市販の軟X線用斜入射分光器に差動排気を有するガスセルを導入することにした。超蛍光観測用の分光器には、広い波長範囲に亘り比較的分解能が良く、ストリークカメラによる研究にも使われた実績のある、真空光学社製斜入射分光器(型番:XUV639)を選定した。超蛍光だけを分光するためには、励起光である大強度のFEL光が検出器に入らないようにする対策が必要となるが、これについては、今年度製作するガスセルの下流にXYZステージ付きスリットを設置する方針とした。年度末までに必要な物品は入手出来たので、テスト実験に向けて真空の立ち上げを進めて行く。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科研費申請当時に設計していた2つの回折格子を使用する超蛍光用発光分光器は、予算の制約のため製作を断念せざるを得ないと判断し、分光器の再検討を行った。その際、分光器の選定と必要な装置の設計に時間が掛かったため、未だテスト実験を実施出来ていない状況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の前半に、代表者が所属する放射光施設UVSORにおいて、CCDカメラによる動作確認テストを実施する。今年度中に稼働が予定されている自由電子レーザー施設SCSS+での実験を行うために、ガスセル及び差動排気装置の新規設計を行い、平成27年度後半の導入を目指す。SCSS+の課題申請の時期や、実際に実験が出来る時期は現時点では分からないが、平成27年度後半には実験が行えるよう準備を進めて行く。
|