2014 Fiscal Year Annual Research Report
注入同期の実現可能限界を達成する最適設計論の確立および応用開拓
Project/Area Number |
26286086
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 久陽 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (20334584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 功 立命館大学, 理工学部, 教授 (00261389)
福田 弘和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90405358)
関屋 大雄 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (20334203)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非線形最適化 / 注入同期 / マイクロエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の電子機器の高周波数化,省電力化,微細化にともない,注入同期という古くからの基盤技術がリバイバルし,様々な応用にその有効性が報告されている. 本研究では,種々の現実的制約条件下での注入同期の性能限界(実現可能限界)を解明するとともに,これを達成する最適設計論を構築し,その実験検証を行う.さらに,この最適設計論を援用し応用分野開拓に踏み込む. 具体的には,(i) 新規な非線形最適化理論を開拓・強化しつつ,現実的な注入同期の制約条件に対応可能な系統的最適設計論とアルゴリズムを構築し,(ii) これをマイクロエレクトロニクス,植物工場(生物時計),さらにナノマテリアルにまで至る応用開拓に組織的に適用することを目的とする. 上記の (i) の非線形最適化理論を開拓・強化のために, その単一振動子の場合において理論的土台として, 次の3つの基礎を整備する必要がある: 「変分 解析による極値問題の解法」「関数不等式による極値問題の解法」「位相方程式の基礎の再整備」. これらの前半の2つは,既にほぼ完成している. 一方, 3番目の課題は, 摂動論からの見直しが必要であり, これが当面の課題である. 一方, 上記の (ii) の応用開拓として, その対象となるマイクロエレクトロニクス発振器ならびに植物工場での生物時計において, 位相応答関数(位相リセット曲線)という非線形特性に係わるデータを精度良く得ることが肝要であるが, その準備が整ってきており, これをもとに, (i) の理論に基づく設計論を構築し, 実際にシミュレーションと実験に適用することにより検証をおこなうことが現在の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に先立ち、十分な下準備が行われており、また研究者招聘などにより共同研究を活性化してきたことが良好な進捗に貢献していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、理論的側面での進捗が著しい現状を踏まえ、応用に特化するフェーズを若干後ろにずらして研究計画のタイムスケジュールの見直しを行う。
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Causes of Carryover |
残額が少額なため使用しきれなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額が1パーセント未満のため、次年度の物品費に合算して使用する。
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Research Products
(9 results)