2017 Fiscal Year Annual Research Report
An extended linear algebra library for electronic structure calculation and its optimization for many-core processors
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26286087
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 有作 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20362288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 三津夫 神戸大学, 先端融合研究環, 教授 (70358307)
星 健夫 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (80272384)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 固有値計算 / 確率的アルゴリズム / 並列化 / 電子状態計算 / 非線形固有値問題 / 理論流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は次の2つのテーマについて研究を行った。
(1) 固有値分布推定やグリーン関数の計算で用いられる,逆行列のトレースTr(A^{-1})の確率的推定法について解析を行った。特に,推定に用いるベクトルを正規化する場合としない場合について,分散の解析を行い,正規化による分散減少効果を定量的に確かめた。また,逆行列のトレースの複素周回積分を用いて複素平面上の円内の固有値数を推定する場合に,各積分点における重みを一定とする方法とランダムにする方法の両方を理論的・実験的に比較し,後者がより小さい分散を与える場合があることを確かめた。本結果は確率的固有値分布推定法の効率化に役立つと考えられる。
(2) 符号付き最小特異値を用いた非線形固有値問題A(z)x=0の解法を提案した。本手法では,行列が特異となる近辺で滑らかに変化し,かつ少ない計算量で計算可能な符号付き最小特異値を定義し,その零点を求めることで,非線形固有値問題を解く。本手法は非線形固有値問題を1変数の非線形方程式に帰着させるため,ベクトル反復を行う多変数ニュートン法や非線形アーノルディ法に比べて初期値の設定が容易であり,また高い数値的頑健性を持つ。また,複素周回積分に基づく非線形固有値問題の解法と比べると,A(z)の計算を実軸上のみで行えばよいという利点を持つ。理論流体力学における乱流の相関関数のスケーリング指数を求めるための非線形固有値問題に多変数ニュートン法と本手法を適用したところ,前者の手法は収束しなかったのに対し,本手法は数回程度の反復で収束し,物理的に妥当な非線形固有値が得られることを確認した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)