2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26287001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮本 雅彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30125356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 代数学 / 頂点作用素代数 / モジュラー不変性 / 自己同型群 / 軌道理論 / 共形場理論 / モンスター単純群 / ムーンシャイン現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
軌道理論の応用として、第一の結果は、軌道理論の応用の基礎となる巡回自己同型に対する軌道予想の解決であり、それを利用したホロモルフィック頂点作用素代数の構成である。非常に複雑な構造を持つ頂点作用素代数を新しく構成する方法として、軌道理論と呼ばれるものがある。すなわち、既知の頂点作用素代数とその自己同型に対して、自己同型によって固定される部分頂点作用素代数の性質を利用して、それを拡大した頂点作用素代数を構成する方法である。この構成が成功するためには、自己同型によって固定される部分頂点作用素代数の性質が非常に良くなければならない。これまでの研究では、個別にその表現を調べ、複雑なツー代数の非常に複雑な計算に成功した場合だけ結果として得られており、しかもそれらは常に良い性質を持っていたので、軌道予想との名前で予想が立てられていた。本研究では、これが常に成り立つことを示した。第二の結果としては、単純群の表現を利用する為にモジュラー不変性の拡張である。ムーンシャイン予想を始め、頂点作用素代数のトレイス関数はモジュラー不変性の性質を色々な場面で見せている。これを非結合可換代数の立場から、拡張することを考え、多変数型のトレイス関数を考え、そのモジュラー不変性を証明した。この応用は非常に広く、現在は更なる応用を考察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度より、理工学群長(理工学部長相当、学生数1学年600名)に任命され、大学内での業務が非常に忙しかった為に、組織委員の一人となっていた海外での研究集会や長期滞在型の研究集会に参加できず、また招待しても国内の研究集会での議論するための十分な時間が確保できず、この研究計画を進める上で重要な海外の研究者仲間との連絡が密に取れなかった為に、目的が十分達成できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
理工学群長も2年目に入り、全体の仕事量等が把握出来ているので、6月以降の研究ペースは回復できると考えている。まずは、業務の若干余裕のある夏に研究仲間のDong 教授と会って、研究集会の計画について話し合う予定である。また、同様に余裕のある1月の研究集会に複数の研究者を招聘し、そこで本研究議題についての議論を深める予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度より、理工学群長(理工学部長相当、学生数1学年600名)に任命され、大学内での業務が非常に忙しかった為に、組織委員の一人となっていた海外での研究集会(25万円強)や長期滞在型の研究集会(30万円強)に参加できず、また招待しても国内の研究集会での議論するための十分な時間が確保できないために、招聘も十分に行えなかった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
理工学群長も2年目に入り、全体の仕事量等が把握出来ているので、6月以降の研究ペースは回復できると考えている。まずは、業務の若干余裕のある夏に研究仲間のDong 教授と会って、研究集会の計画について話し合う予定である。また、同様に余裕のある1月の研究集会に複数の研究者を招聘し、そこで本研究議題についての議論を深める予定である。
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Research Products
(7 results)