2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26287007
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉岡 康太 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40274047)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Bridgeland stability / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Enriques surface 上の安定層が存在するための必要十分条件を求めた。NuerによりBridgelandの安定複体の存在条件を与えることがわかっているので、安定複体の存在条件を記述したことにもなる。方法は特別なフーリエ向井変換を利用するもので、その変換によりBridgeland安定性が保たれること、また安定性によらず位相的不変量が変わらないことを利用するもので、導来圏の中で考えることにより得られる結果である。 曲面をblow-upした場合に安定層のモジュライ空間の間の関係はperverse coherent sheafのモジュライを考えることにより壁越え現象を調べることにより解析できることが以前の中島啓との研究によりわかっている。一方戸田によりBridgelandの安定性条件がblow-upの場合に定義され、その安定性とperverse coherent sheafの安定性の関連が問題となっていた。本年度はperverse coherent sheafのモジュライの壁越え現象がBridgeland安定性の壁越え現象としてとらえられることを示した。また通常のMatsuki-Wentworthのtwisted stabilityに関する壁越え現象がBridgelandの安定性に関する壁越え現象としてとらえられることを示した。この結果を得るため、モジュライ空間上の直線束に関する考察から、安定性条件の空間からモジュライ空間の正錐になると期待される空間への全射を構成し、その上の線形な壁の引き戻しとして安定性条件の空間上の壁が得られることも示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定は異なるが、28年度におこなう予定であったblow-upの場合のperverse coherent sheafとBridgeland安定性の関連性について結果を得ることができ、さらに既存の安定層のモジュライの理論がBridgeland安定性理論の範疇で考察できることを示したから。またEnriques曲面上の安定層の存在についても結果をえた。 さらに既約Symplectic多様体のKawamata-Morrisonのmovable cone conjectureに関する論文を投稿し、またアーベル曲面上の安定対象のモジュライに関する論文の修正を終え受理されたことなどから。
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Strategy for Future Research Activity |
perverse coherent sheafとBridgeland安定性の関連性についてのプレプリントの記述を洗練し、学術雑誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
資料整理と計算のため高性能のパソコンを購入の予定であったが、適当な機種がなかったため次年度に購入を先送りした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度にパソコン類を購入する。
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Research Products
(4 results)