2015 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタルにおける代数的・幾何学的構造と解析の相互的な関わりの研究
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26287017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木上 淳 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90202035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 弘明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20137889)
桑田 和正 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30432032)
日野 正訓 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40303888)
角 大輝 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40313324)
秋山 茂樹 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 教授 (60212445)
宍倉 光広 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70192606)
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90234509)
梶野 直孝 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90700352)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フラクタル / 拡散過程 / 複素力学系 / 自己相似集合 / Dirichlet form / タイリング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者木上は、Hanoi tower fractalと呼ばれる Sierpinski gasket の各分岐点を区間で置き換えた inhomogeneous な自己相似集合上の resistance form について University of Stutgart の Freiberg 教授と University of Ulm の Ruiz 博士との共同研究を行った。具体的には、Hanoi Tower fractal 上の全ての自己縮小像上の幾何学的な対称移動について不変であるような(=完全不変な)resistance form は、(a) 各区間上の Dirichlet 積分の和で書けるものと、(b) Dirichlet 積分の和に Sierpinski gasket 上の標準的な resistance form を加えたもの、の2種類に分類できることを明らかにした。分担者熊谷は、時間依存する離散的なランダム媒質においては、媒質の小さな摂動で離散時間マルコフ連鎖の長時間挙動が大きく変わり得ることを示した。分担者日野は一般の状態空間における強局所正則ディリクレ形式に付随する指数の決定問題に取り組み,ある付加条件の下で片側評価を得た。分担者角はリーマン球面上の有理関数の半群の力学系およびランダム複素力学系を研 究し、そこに現れる複素平面上のフラクタル的な関数を調べた。分担者桒田は相対エントロピーの差を加味した熱分布間の最適輸送距離の評価が,曲率次元条件を特徴づけるものであることを測度距離空間の枠組みで示した。分担者宍倉は線型化不可能な無理的中立不動点を持つ複素2次多項式に対し、そのhedgehogという不変集合の構造をDenjoy odometerというカントール集合をベースに持ちファイバーを半直線とする空間(Rempe model)により記述した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の発表論文がないが、これは27年度に執筆した論文が約100ぺージと大部のため、投稿した雑誌における査読に1年以上の時間を要していることによる。その他の点においては、発表論文の数・研究発表の数も十分にある。特に国際研究集会に於ける招待講演は13件を数えている。また実際にも研究実績の概要にあるように価値のある成果が得られている。以上のことから研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、研究は順調に進展しており、現在のペースで粛々と研究を継続すれば、当初の目的は達成されると考える。
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Causes of Carryover |
招聘予定であったパリ東大学 Jaffard 教授が、都合により27年度は来日することが出来なかった。また、研究代表者木上が organizer の一人となり香港で3月に開催した国際研究集会の経費負担が、開催地である Hong Kong University of Science and Technology からの経費負担の増額の申し出により、当初の見積より大幅に減額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Jaffard 教授を本年度に2週間程度日本に招聘することを予定している。さらに国際共同研究の進展に伴い、オランダにおける研究打ち合わせのための海外渡航費の支出を予定している。さらに、研究分担者梶野の研究の進展に伴い、フランスの ENS の Vargas 教授を京都および神戸に招聘することを計画に加えている。
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Research Products
(25 results)
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[Presentation] Fractal Nature of Julia Sets2016
Author(s)
Mitsuhiro Shishikura
Organizer
1st Hong Kong/Kyoto Workshop on Fractal Geometry and Related Areas
Place of Presentation
Hong Kong University of Science and Technology,Hong Kong, China
Year and Date
2016-03-21 – 2016-03-22
Int'l Joint Research / Invited
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