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2016 Fiscal Year Annual Research Report

速度分散法による「暗黒ガス」の徹底解明

Research Project

Project/Area Number 26287030
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

土橋 一仁  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20237176)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 前澤 裕之  大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00377780)
松本 倫明  法政大学, 人間環境学部, 教授 (60308004)
村田 泰宏  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (70249936)
中西 裕之  鹿児島大学, 理学部, 准教授 (90419846)
井上 剛志  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90531294)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords電波天文学 / データベース天文学
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度末まで、中性水素原子ガスが放射する21cm線中に吸収線として現れる冷たいHIガスを定量するために新しい解析手法である「速度分散法」を開発し、研究を遂行してきた。しかし、これを用いても定量が困難な冷たいHIガスが存在することが明らかになりつつある。このような原子ガスは、輝度温度の異なる3成分以上の速度成分が視線方向に複雑に重なったもので、おうし座分子雲のCOデータおよび21cm線データの精密解析している最中に、その存在に気付いた。このようなHIガスは、ある時には吸収線として現れるが、ある時には輝線(放射)として現れる。個々の速度成分の視線速度を推定することは比較的容易だが、そのスピン温度や光学的厚さを精度よく見積もることは、非常に困難な場合が多い。この問題を解決するためには、これまで用いていた速度分散法を大幅に改良し、複数輝線の輻射輸送を取り扱わねばならない。目下、このような効果を取り入れて速度分散法の改良に取り組んでいるが、かなり困難な作業であり、完成までもうすこし時間が必要である。しかし、一方で、視線速度毎の21cm線の積分強度図と可視光減光量を比較すると、空間的にどこに冷たいHIガスが分布しているのか、かなり明確に把握できることもわかった。改良中のプログラムを完成させつつ、これらの新しい知見をまとめ、本研究の目的である暗黒ガスの成分の解明(分子ガスと原子ガスの比の解明)について、平成29年度中に一定の結論を得たい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

上記の通り、これまで中性水素原子ガスが放射する21cm線中に吸収線として現れる冷たいHIガスを定量するために新しい解析手法である「速度分散法」を開発し研究を遂行してきたが、これを用いても定量が困難な原子ガスが存在することが明らかになった。このような原子ガスは輝度温度の異なる3成分以上の速度成分が視線方向に複雑に重なったものであり、ある時には吸収線として現れ、ある時には輝線(放射)として現れる。そのスピン温度や光学的厚さを精度よく見積もるためには、複数成分の輻射輸送を考慮した複雑な解析を行わなければならない。そのため、これまで用いていた速度分散法を大幅に改良し、輻射輸送を取り入れた解析プログラムを開発する必要が生じた。目下、この効果を取り入れつつ速度分散法の改良に取り組んでいるが、かなり困難な作業であり、完成までもうすこし時間が必要である。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度前半中に必要な解析プログラムの改良を完成させ、おうし座分子雲に特化した解析を行う。同分子雲は太陽系の近傍にあり、21cm線のいくつかの速度成分のうち、背景からのものと分子雲からのものの区別が比較的判別しやすい。また、多波長減光量マップや高分解能の21cm線データも揃っている。平成29年度末までには、暗黒ガスの起源に関する結果を出したい。

Causes of Carryover

速度分散法を用いた解析作業中に、同方法では定量しきれないガス成分があることに気付いた。そのまま解析を続行しても精度の高い解析結果は得られないと判断し、解析補助のための人員の雇用や物品購入を一時中断し、解析手法の改良に取り組んだ。そのため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

改良中の解析プログラムのテストを行いつつ、人件費や物品購入のための予算を4月から計画的に執行する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017 2016

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Wide-field 12CO (J=2-1) and 13CO (J=2-1) Observations toward the Aquila Rift and Serpens Molecular Cloud Complexes. I. Molecular Clouds and Their Physical Properties2017

    • Author(s)
      Nakamura Fumitaka, Dobashi Kazuhito, Shimoikura Tomomi, Tanaka Tomohiro, Onishi Toshikazu
    • Journal Title

      The Astrophysical Journal Letters

      Volume: 837 Pages: 154(15 pp)

    • DOI

      10.3847/1538-4357/aa5ea6

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Discovery of Infalling Motion with Rotation of the Cluster-forming Clump S235AB and Its Implication to the Clump Structures2016

    • Author(s)
      Shimoikura, Tomomi, Dobashi Kazuhito, Matsumoto Tomoaki, Nakamura Fumitaka
    • Journal Title

      The Astrophysical Journal

      Volume: 832 Pages: 205(11 pp)

    • DOI

      10.3847/0004-637X/832/2/2058

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 教員志望学生を対象にした天体望遠鏡実習の授業実践とその効果2016

    • Author(s)
      下井倉ともみ、土橋一仁
    • Organizer
      日本天文学会秋季年会
    • Place of Presentation
      愛媛大学(愛媛県・松山市)
    • Year and Date
      2016-09-14 – 2016-09-16

URL: 

Published: 2018-01-16  

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