2017 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical Study of High-Energy Universe through PeV Sources
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26287051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井岡 邦仁 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80402759)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 高エネルギー天体 / 宇宙線 / ニュートリノ / 理論天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ショートガンマ線バーストには長期放射が付随する場合があることが知られており、その起源は分かっていない。ショートガンマ線バーストのX線データを調べたところ、長期放射の継続時間が約100秒と約10000秒の2種類ある可能性が分かった。これらは連星中性子星合体の電磁波対応天体として有望である。 (2) 最初の重力波イベントGW 150914のような連星ブラックホールが銀河系にも存在していると考えられる。それらは連星合体後、高速回転するブラックホールになるが、回転エネルギーをジェットを通じて開放する。そのエネルギーは高エネルギー粒子となる可能性があり、銀河系内で観測されている高エネルギー天体と関係している可能性があることを初めて指摘した。 (3) 連星中性子星の合体の後に中性子星が残される場合、高エネルギー放射をする可能性がある。観測的な特徴を計算し、合体後の結果についての制限を加えられるようにした。CTAなどの高エネルギーガンマ線による観測可能性を議論した。 (4) 銀河系に浮遊する孤立ブラックホールが密度の濃い場所に行くと、周りの物質を降着して、降着円盤を形成する。これまで定常的に降着は進むという研究しかなかったが、この降着円盤が、不安定性によって非定常に降着が進み、X線新星として観測される可能性を初めて示した。 (5) ショートガンマ線バーストの反対側に放出されるジェットからの放射を計算した。場合によっては、非常に初期の光赤外の観測で観測できるかもしれないことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた研究は順調に進展している。 さらに予想以上に、新たに、重力波分野と高エネルギー宇宙の分野の境界領域が重要になってきたが、その領域においても新たな研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
高エネルギー天体と重力波等の他のメッセンジャーとの結びつきはさらに強くなってくる。この方向性の研究の比重を増やしていくことは重要であろう。重力波天体GW 170817を軸に、高エネルギー天体との関連する研究をシリーズ的に進めて論文にしていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 主には科研費研究員を雇用するため。単純に各年の交付額のみでは研究を雇用することができないため、雇用する年に使用額を集中させる必要がある。 (使用計画) 主には科研費研究員を雇用
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Research Products
(14 results)