2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elasticity and anelasticity of polycrystalline material at near solidus temperatures for seismological application
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26287102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武井 康子 東京大学, 地震研究所, 教授 (30323653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非弾性 / 部分溶融 / プレメルティング / 粒界 / 多結晶体 / 低速度域 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震波構造を定量的に解釈するためには、岩石の非弾性特性の理解が必要である。本研究は、多結晶体の弾性・非弾性・粘性を、融点直下から融点を超えて部分溶融に至るまでの温度範囲(T/Tm=0.89~1.01)でほぼ連続的に測定を行った。その結果、部分溶融が多結晶体の物性に与える影響は、これまで知られてきたような、メルトが生じたことによる直接的な影響に加えて、溶ける直前にも大きな変化が生じていることがわかった。つまり、ソリダス直下(1> T/Tm > 0.94)の固体状態において、多結晶体の減衰が顕著に増大し、また、粘性の活性化エネルギーも顕著に増大することがわかった。しかも、融点で0.4%程度の微少なメルトしか生成しない試料でもこの固体状態での変化は大きく、メルトによる直接的な影響を遥かに凌ぐ。上部マントルに存在し得るメルト量は、地球化学的制約条件から1%未満であると予想されているが、部分溶融の影響に対する従来の理解では、上部マントルで観測される地震波低速度域を微少量のメルトで定量的に説明することは困難であった。本研究の成果は、地球化学と地震学の結果を整合的に説明することを可能にするものとして重要である。実際、海洋リソスフェアの地震波速度及び温度構造から得られた横波速度の温度依存性は、カンラン岩のソリダス直下で急激な速度低下を示す(Priestley and McKenzie, 2013)。本実験データから得られた非弾性モデルは、この速度低下をほぼ定量的に説明することに成功した。融点直下における物性変化の詳しいメカニズムはまだ解明できていないが、粒界構造変化(プリメルティング)と推測している。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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