2015 Fiscal Year Annual Research Report
衛星淡水フラックス変動と海洋表層塩分変動の統合的理解の研究
Project/Area Number |
26287114
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
富田 裕之 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 研究員 (10435844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 周平 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, グループリーダー (30358767)
纐纈 慎也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 研究員 (30421887)
細田 滋毅 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, グループリーダー代理 (60399582)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 淡水収支 / 水循環 / 海面フラックス / 気候変動 / リモートセンシング / データ同化 / 塩分変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の気候変動に伴い地球の水循環過程に変化が生じている。しかし観測データの不足やモデルの不確定性などの問題により、その詳細については良く理解されていない。一方で近年の衛星による地球観測技術の発展により全球規模の海面淡水収の推定が可能となりつつあるが、データセットとしての整備は十分でなく、また全球・長期データの精度検証が十分でないことが問題である。そこで、本研究では、地球規模の水循環変動のより良い理解のために新たに統合海面淡水フラックスデータセットを整備して研究を行う。海洋データ同化システムを用いて衛星観測データに加えて海洋内部の観測データから得られる情報を統合させ、これまでは大気と海洋で独立に評価を行っていた淡水収支変動をより正確に把握することを試みる。 本年度は、昨年度に整備された人工衛星観測や再解析データに基づく淡水フラックスデータ、および海洋の現場観測データ、海洋データ同化システムを用いて海洋環境再現実験やそれらのデータ解析を実施した。より具体的には、昨年度に海洋データ同化システムに実装された淡水収支に関する拘束条件を用いて過去数十年間の海洋環境再現実験を実施し淡水フラックスの再評価を行った。その際、本研究で扱う海洋データ同化システムの改良も実施した。さらに再現実験の結果の解析や衛星淡水フラックスデータや現場観測データの解析を行った。また、一連の研究成果の一部は国内外の学会で発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画として、昨年度に整備された人工衛星観測や再解析データに基づく淡水フラックスデータ、および海洋の現場観測データ、海洋データ同化システムを用いて海洋環境再現実験やそれらのデータ解析の実施を予定し、これらの研究項目の全てを実施することができた。また成果の一部は、国内外の学会で発表された。以上により、研究の進捗は順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、前年度までに整備された衛星および海洋観測データと同化システムを用いて実施した海洋環境再現実験の結果の解析を行う。本年度の行われた解析の結果や研究の進捗状況を踏まえて、さらに踏み込んだ海洋変動と淡水フラックス変動の理解を試みる。その際、衛星データセットの整備に伴い実施された現場観測データとの検証結果や他のデータセットとの相互比較結果を踏まえて、衛星データセットの改善についても可能な限り検討する。最終年度に予定する統合海面淡水フラックスデータセットの公開の準備を開始する。
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Research Products
(8 results)