2016 Fiscal Year Annual Research Report
Hydrogen Isotopic Evolution of Earth's Seawater
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26287125
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 雄一郎 東京工業大学, 理学院, 准教授 (90422542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄田 英典 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任准教授 (90456260)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地球史 / 惑星地質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで異なる年代の6地域で行った海洋底玄武岩の計測の結果を元に、海水同位体組成を復元するのに最も適した試料は32億年前のクリーバビル地域のものであることが明らかになった。同地域に分布する変玄武岩およびハンレイ岩は海洋底変成作用の履歴を保持しているとされており、4つの異なる変成度に分帯されている。変玄武岩の水素同位体組成は変成度および深度に対応して変化することが明らかになった。 解析の結果、このトレンドは太古代当時の海洋地殻内で海水との反応を通して同位体交換された結果であること考えると変成温度との対応を矛盾なく説明できることが分かった。これに基いて推定される当時の海水dD値は現在海水よりも-20‰程度軽い。海水の重水素濃縮が水素散逸によると仮定すると、この同位体差を得るためには5%程度の海水量が減少し、それに応じた酸化力が大気海洋系に供給された可能性のあることが分かった。 また、同地域から、現在のマントル水素同位体比よりもdD値の低いハンレイ岩を発見した。これはTiに富む火成角閃石が含まれる事が明らかになった。この結果は、海水と同様に、当時のマントルの水素同位体組成も現在より重水素に枯渇していた可能性を示唆する。これを説明するためには、海洋ーマントル間の物質移動が従来想定されたよりも速い必要があり、地球表層の水素循環にとって重要な示唆を与えるものである。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)