2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26288006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹腰 清乃理 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10206964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 泰斗 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00631384)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 嫌気性材料 / 雰囲気制御 / 固体高分解能NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
気体分子との関わりが重要な試料や酸素・水分を嫌う試料が実際に機能する環境でミクロな観点からの物性の基本原理の理解と材料の設計指針を得るための強力な手法として、気体の組成、分圧、温度などを制御しながら固体高分解能NMRを測定可能なシステムの開発を目指している。このシステムは固体高分解能NMRに必須な試料の高速回転を大気暴露せずにできる気密プローブヘッドと、試料回転に用いる気体を圧縮して気密プローブに送り込み回収できる気体循環系から成る。2年目に当たる平成27年度では、気密プローブの設計を行い部品加工を発注した。気体循環系の設計も終えて機器を発注した。 さらに名古屋工業大学大学院工学研究科の日原岳彦教授と宮崎怜雄奈助教からリチウムイオン固体電解質となる試料の提供を受け、そのリチウムイオン伝導機構を調べた。その結果を低温物質科学研究センター講演会・研究交流会にて「Li希薄な15NaI・LiBH4のLi+伝導機構の固体NMRによる解析」という題目でポスター発表を行った。また、デンマークのオーフスでの開催される固体NMRの国際学会であるEUROMAR2016でも発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に本研究で必須なマジック角回転モジュールの購入先先であるアジレント・テクノロジー株式会社がNMR事業から撤退し、それに伴う混乱により本研究に必須のマジック角回転モジュールの購入が遅延した。その余波が本年度まで影響しているが、当初の予定までは修正できなかったものの遅れをだいぶ取り戻すことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
第一四半期では気密プローブを組み立て、気密プローブのリークテストを行う。それと平行して気体循環系の構築を行う。 第二四半期では気体循環系のリークテストおよび実際に気体を循環させシステムの安定性を検証する。 第三四半期ではプローブと気体循環系を接続し、潮解性試料といった水と反応しやすい試料のNMRを測定することでプローブとシステムの性能を評価すると共に、実際にターゲット試料を測定する。 ターゲット試料としては、上述したリチウムイオン固体電解質や、分圧を制御できるという特徴を活かし、Li4SiO4といった二酸化炭素回収材料や貯蔵材料を想定している。 第四四半期では成果を論文にまとめて出版する。足りないデータを追加測定する。
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Causes of Carryover |
昨年度に本研究に必須のマジック角回転モジュールの購入が遅延した余波が本年度まで影響し、プローブの電子部品である非磁性高耐圧セラミックスキャパシタ等の購入を遅らせたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
非磁性高耐圧セラミックスキャパシタ等の電子部品は直ぐに購入可能なため、第一四半期にさっそく手配しプローブの組み立てを開始する。
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Research Products
(1 results)