2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of surface selective high-sensitivity fluorescent probe apparatus for microdroplets and its application to biomolecules
Project/Area Number |
26288010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
関谷 博 九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (90154658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫田 憲治 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80346767)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 微小液滴 / 励起エネルギー移動 / イオントラップ |
Outline of Annual Research Achievements |
分析化学や量子光学の分野において,微小液滴を用いた研究が報告されている.また,分子科学分野では,タンパク質の荷電状態の分布やラマン散乱スペクトルの研究が幾つか報告されている.しかしながら,微小液滴に溶存した分子や分子集合体が示す化学反応素過程を詳細に解明した研究例は限られてる.本課題では,イオントラップを用いて空間捕捉した単一微小液滴からのレーザー発振を利用することで,液滴界面に形成された単分子膜と溶存分子の間で生じる蛍光励起エネルギー移動に注目して研究を行った. 色素ラベルされた両親媒性分子であるオクタデシルローダミンB(ODRB)を用いて,空間補足した単一微小液滴上に両親媒性分子による単分子膜を構築した.また,同じ微小液滴内にはローダミン700も溶存している.この微小液滴をナノ秒パルスレーザーで光励起するとODRBの単分子膜に起因するレーザー発振が観測されるが,このレーザー発振の振る舞いは,液滴内部に溶存しているローダミン700の濃度に依存していることが明らかになった.ODRBは4準位系を構成していると仮定し,これに関するレート方程式を解析した.その結果,励起光強度に対するレーザー発振強度のプロットの傾きから,ODRBとローダミン700との蛍光励起エネルギー移動効率を算出できることを明らかにした.微小液滴とバルク溶液における実験結果を比較すると,微小液滴中ではバルク溶液よりも長距離まで励起エネルギー移動が生じていることが分かった.このことは,バルク溶液では分子からの自然放出を観測している一方で,微小液滴中での実験では,分子からの誘導放出を観測していることに起因すると考えられる.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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