2016 Fiscal Year Annual Research Report
非共有結合性相互作用を利用する炭素-水素結合変換反応の開発
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26288014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
國信 洋一郎 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40372685)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | C-H結合変換 / 非共有結合性相互作用 / 水素結合 / Lewis酸-塩基相互作用 / ボリル化 / シリル化 / メタ位 / オルト位 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属触媒配位子と基質の官能基との間でのLewis酸-塩基相互作用を用いることで、イリジウム触媒によるオルト位選択的なC-Hホウ素化反応を達成し、学術論文として発表した(Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 1495)。本触媒系では、触媒と基質の置換基間での立体反発のため、通常は進行しにくいオルト位でのC-Hホウ素化反応を、Lewis酸-塩基相互作用という比較的強い非共有結合性相互作用を利用することで達成できた。そのほかにも、マンガン触媒とボランを共存させることにより、マンガン触媒としては初めての酸素配向基によるC-H結合変換反応(Org. Lett. 2016, 18, 304)や、レニウム触媒による芳香族イミデートとカルボジイミドとの反応による1,3-ジイミドイソインドリン化合物の合成反応(Org. Lett. 2016, 18, 2459)、を開発することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は、平成29年2月より東京大学大学院薬学系研究科から九州大学先導物質化学研究所に異動したため、異動の準備や異動後の研究室の立ち上げに時間を取られ、当初の計画通りに研究が進展しなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい職場である九州大学先導物質化学研究所での研究室のセットアップや研究の再開に必要な物品、薬品・ガラス器具などの消耗品、装置などの購入を行い、水素結合やLewis酸-塩基相互作用のような非共有結合性相互作用を利用するC(sp2)-HやC(sp3)-H結合の位置選択的な変換反応の開発を行なう予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者は、平成29年2月に、東京大学大学院薬学系研究科から九州大学先導物質化学研究所に異動になったため、異動の準備や異動後の研究室の立ち上げに時間を取られ、当初の計画通りに研究が進展しなかった。また、現職である九州大学先導物質化学研究所で独立して研究室を運営することになったため、研究室のセットアップや研究の再開に研究費が必要になった。以上の理由から、研究費の一部を平成29年度に繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究室のセットアップや研究の再開に必要な物品や、薬品・器具などの消耗品を購入し、当初計画した研究の残りの課題を遂行し、研究成果をまとめることを考えている。
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Research Products
(17 results)