2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26288025
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
棚瀬 知明 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (50207156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久禮 文章 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (30572557)
中島 隆行 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (80322676)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 金属クラスター / ナノ分子素子 / 多座ホスフィン / 金属錯体化学 / 分子細線 / パラジウム / 白金 / 銅 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の項目(1)~(4)について研究を行った。 (1)直鎖状多座ホスフィン配位子の合成 四座ホスフィンmeso/rac-dpmppm, dpmppe, dpmppp及び六座ホスフィンrac-dpmppmppmの合成に成功した。 (2)低原子価Pd, Pt分子ワイヤーの創成:meso/rac-dpmppmを用いた直鎖上Pd8核クラスターの合成し詳細な構造と物性を明らかにし,さらに光・電気化学特性と金属鎖に沿った伝導特性について研究を行った。また,Pd8鎖が高温ではPd4核フラグメントに解離し,低温ではそれらが自己整列する現象を見出した。このような結果をAngew. Chem. Int. Ed.に発表した。 (3)閉殻金属を用いた環状クラスターの分子設計と光励起物性の発現:多座ホスフィンを支持配位子に用い11族元素の閉殻イオンを用いて柔軟な金属鎖及び金属ループの合成に取り組んだ。特に,meso/rac-dpmppmに支持されたAu4錯体がクラスター中心から強い青色発光を示し,さらにそれらが塩化物イオンによって鋭敏に消光される現象を見出した。このような結果をChem. Eur. J.に発表した。 (4)かご状銅ヒドリド多核金属集合系を用いた貴金属代替材料の開発:本項目では白金を中心とする貴金属代替材料として安価な卑金属である銅を用い,Cu9核及びCu16核銅ヒドリドかご型クラスターの合成を行った。巨大かご型銅ヒドリドクラスターはほとんど前例がなく,クラスター内部への水素吸蔵,小分子や金属原子の取り込みを目指し研究を展開する。また,Cu2核ヒドリド錯体を合成しその構造を明らかにするとともに,二酸化炭素のギ酸へ還元反応について研究を展開した。Cu2核錯体上で金属ーヒドリド結合に二酸化炭素が挿入する例はこれまでになく,Chem. Asian J.に論文発表するとともに,触媒反応への応用についても研究を展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
四座ホスフィンmeso-dpmppmを用いたPd8核鎖の詳細な構造,物性及び溶存状態における構造の温度依存性について明らかにすることができ,その結果を世界的に水準の高い学術誌Angew. Chem. Int. Ed.に発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画どおり研究を進め,系統的に合成した多座ホスフィンを用いたナノ分子素子を構築し,それらの多様な集合系を構築するとともに新たな機能発現の開発を行う。
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[Journal Article] Electron-Deficient Pt2M2Pt2 Hexanuclear Metal Strings (M = Pt, Pd)2014
Author(s)
E. Goto, R. A. Begum, C. Ueno, A. Hosokawa, C. Yamamoto, K. Nakamae, B. Kure, T. Nakajima, T. Kajiwara, and T. Tanase
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Journal Title
Organometallics
Volume: 33
Pages: 1893-1904
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Wheel-Shaped Icosanuclear Homo- and Heterometallic Complexes of NiII, CoII, and CuII Ions Supported by Unsymmetrical Aminoalcohol Ligands2014
Author(s)
○T. Nakajima, K. Seto, F. Hosokawa, I. Shimizu, A. Scheurer, B. Kure, T. Kajiwara, T. Tanase, M. Mikuriya, T. Tanase
Organizer
41th International Conference on Coordination Chemistry (ICCC41)
Place of Presentation
Singapore
Year and Date
2014-07-21 – 2014-07-25
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