2016 Fiscal Year Annual Research Report
New functions of nanomaterials investigated by using solid-state electrochemistry
Project/Area Number |
26288034
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
吉川 浩史 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (60397453)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 二次電池 / 電気化学反応 / 超伝導 / キノン / ナノカーボン / ポリオキソメタレート |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、酸化還元活性な有機無機複合物質やナノ物質などの多様な材料の高性能な蓄電特性を開拓するとともに、固体電気化学反応による新奇物性の開拓を目的とした研究を遂行してきた。 H28年度は、三次元空孔構造を有するポリオキソメタレートの一つであるMo30.5V9.5Bi1.2O112が、組成式当たり77電子の酸化還元による350 Ah/kg以上の大きな容量と100サイクル以上の安定なサイクル特性を有することを明らかにし、その固体電気化学反応をXAFS分析により解明した。また、酸化還元活性な有機分子として、3つのテトラセンキノン部位を有する特徴的な構造の分子の電池作製と蓄電特性を計測し、テトラセンキノン分子そのものよりも大きな電池容量を示すことを見出した。キノン部位のみに由来する理論容量よりも非常に大きく、キノン部位以外のπ電子系の酸化還元および電気二重層が関与しているためと考えられる。さらに、このような酸化還元活性な分子群をグラフェンなどのナノカーボンと複合化させ、より大きな電池容量を見出した。このように、電池特性という点では、研究目的通りの成果が得られた。 一方で、固体電気化学反応を利用した物性開拓研究について、層状構造を持つFeSeの超伝導転移温度を電気化学的に制御することを試みた。その結果、カリウムイオンのFeSe層間への電気化学的挿入により超伝導転移温度を約30 Kに上昇させることができ、その変化も可逆であることを見出した。この知見を基に、挿入する電解質イオンの種類を変更したり、FeおよびSeの電子状態などを解明することで、より均一な転移温度のスイッチングなどが可能になるであろう。 以上のように、固体電気反応を利用した様々な物質の電池特性と固体物性を開拓することができた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)