2016 Fiscal Year Annual Research Report
フォトレドックス触媒が拓くラジカル的分子変換新戦略
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26288045
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
穐田 宗隆 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (50167839)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | フォトレドックス触媒反応 / 可視光 / 合成化学 / 光化学 / 触媒反応 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、フォトレドックス触媒系によるオレフィン類の二官能基同時導入反応開発に取り組んだ結果、すでに論文や特許で報告しているように、オキシジフルオロメチル化やトリフルオロメチルチオール化を含むフルオロメチル化のみならずペンタフルオロスルファニルフェニレーション、アミノヒドロキシル化などの諸反応を開発した。従来の研究に比べて格段に官能基の適用範囲が拡大し、可視光照射のみで進行するグリーンな有機合成反応としての地位を確立するに至った。
研究全般を改めて俯瞰し直してみると、これまでは触媒反応開発に注力してきたが、それ以外にも新規触媒開発、新規試薬開発、反応器設計など実用化に向けて解決するべき課題は多い。今年度は新たな触媒開発に着手し、ペリレンなどの多環芳香族化合物が強力な還元作用を示すことを見出すに至った。このような有機物触媒は元素戦略の観点から注目を集めている研究領域であり、一石を投ずることができた。得られた結果は現在論文投稿中であり今後さらに多様なπ共役系有機化合物触媒の開拓とその作用機作の解明に向けて研究を展開していく。残り二つの観点からの研究の深化も必須研究事項であり、新規試薬開発についてはピリジン脱離により反応活性ラジカル種を生成するピリジニウム前駆体の体系化が現在進行中であり十分な成果を収めているが、さらに新しい脱離基を含む新反応系の設計を計画していることに加えて、反応器設計についてはより効率的に反応が進行するマイクロフロー系を視野に入れて準備を始めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は発表論文数（６報）および学会や出版社からの要請に応じて総説（５報）を出版したことや、従来に続いて７件の国際会議の招待講演者として講演したこと、１件の特許を出願したことからも、当初の計画以上に研究が進展していることは明らかである。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は窒素官能基導入に主眼を置いたさらに新たな官能基化反応の開発、多環芳香族化合物触媒の新展開、マイクロフロー反応器を用いた効率的フォトレドックス触媒反応系の構築に重点を置いて研究を進める。
また、本研究の最終年度でもあることから、研究の集大成をはかり、次の展開に向けた新しい研究の芽を育む。
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