2015 Fiscal Year Annual Research Report
sp3 炭素アニオン活性種制御を基軸とする機能性物質創製法の開発
Project/Area Number |
26288049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永木 愛一郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80452275)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フローマイクロリアクター / アルキルリチウム / 保護基フリー合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
競争的逐次反応の選択性制御に基づくsp3炭素アニオン活性種生成法の確立のために、ベンジルリチウム種からアルキルリチウム種の発生と反応の制御に展開した。まず、バッチ型反応器を用い、3-phenylpropyl bromideの還元的リチオ化と、その後のPhCHOとの反応を行った結果、目的生成物の収率は中程度にとどまり、プロトン化された副生成物が得られてきた。一方で、マイクロミキサーとマイクロチューブリアクターから構成されるフローマイクロリアクターを用い、マイクロミキサーと溶液導入流量を変化させ検討を行ったところ、ミキサーの内径が小さく流量が大きい場合に、プロトン化された副生成物の生成を抑えることができ、目的の生成物が収率よく得られることが明らかとなった。このことは、高速混合がプロトン化の副反応の抑制に極めて重要であることを示すものである。また、様々なアルキルリチウム種の発生と反応を検討を行ったところ、ハロゲン/リチウム交換反応によるリチオ化が難しいアルキルクロライドや3級アルキルブロマイドといった基質に対しても良好な収率で目的生成物が得られた。さらに、ベンジル基、クロロ基、p-ブロモアリール基、アルケニル基、トリメチルシリル基といった官能基を有する基質に対しても効果的に反応が行えることが分かった。以上、フローマイクロリアクターを用いることにより、求核反応を受けやすい官能基を有する基質からアルキルリチウム種を選択的に発生させ、求電子剤との反応に利用できることが明らかとなり、保護基フリー合成の新手法を開発することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
還元的リチオ化によるアルキルリチウム種発生において、予想していなかった副反応の抑制の必要性が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
パラレル反応の選択性制御の検討を開始する。
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Causes of Carryover |
研究計画が予定よりも遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬購入に使用する。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] マイクロ流路を利用した空間的反応集積化2016
Author(s)
Jun-ichi Yoshida, Hejin Kim, Aiichiro Nagaki
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Journal Title
Chemistry & chemical industry
Volume: 69
Pages: 117-119
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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