2014 Fiscal Year Annual Research Report
三重鎖核酸を利用して制御可能な化学修飾遺伝子の開発
Project/Area Number |
26288075
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清尾 康志 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (20313356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DNA三重鎖 / 人工遺伝子 / 人工塩基対 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子発現をON/OFFする仕掛を組込んだ人工遺伝子は合成生物学や人工タンパク質合成系などに有用である。本研究では起案者が独自に開発した修飾核酸をT7プロモータやその下流に導入した人工遺伝子と、その転写を三重鎖形成核酸の結合により制御する新技術を開発する。 平成26年度はDNA二重鎖中のデオキシシチジンをシュードイソシチジンに置換するためのヌクレオシドとホスホロアミダイトとオリゴヌクレオチドへの導入を行った。また、実際に合成したDNAを用いてT7-RNAポリメラーゼ反応を行ったところ、予想通り転写反応が進行することが分かった。 その一方で、合成したDNAの構造を詳細に検討したところ、シュードイソシチジンが一部分解している可能性が示唆されたため、シュードイソシチジンの保護基をより穏和な条件で除去可能なものに代え、改めてホスホロアミダイトの合成とDNAの合成を行った。 また、人工遺伝子に導入する新規人工核酸塩基としてシュードイソシチジンの他にも3-アミノピリダジン骨格も検討しその合成と塩基識別能を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予定通り人工遺伝子を合成し、転写反応の解析を行うことができた。 一方で、合成した人工遺伝子が一部分解している可能性も示唆されたが、この点についてもすでに別条件での合成法を確立済みであり、今後の研究遂行には支障が無いと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は計画通り、三重鎖形成核酸による転写阻害実験を行う。次に人工遺伝子にGFPなどのタンパク質遺伝子を挿入し、人工遺伝子の転写-翻訳のプロセスと、その三重鎖形成核酸を用いた制御について検討する。
平成26年度までの成果を活用し問題なく推進できると考えている。
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Causes of Carryover |
当初は3-4種類程度のシトシン誘導体を合成し、もっとも優れた性質を有する人工DNAを探索する予定であったが、最初に合成したシュードイソシトシンが予想よりも優れた性質を示したため探索合成のための経費が予想よりも低くなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に持ち越した経費については、今年度合成する人工遺伝子の配列のバリエーションを増やし、より網羅的に人工遺伝子の性質を調べることに用いることで、研究のレベルをさらに高めることに用いる。
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Research Products
(3 results)