2014 Fiscal Year Annual Research Report
テロメアRNA四重鎖構造分子基盤の解明を目指したケミカルバイオロジー
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26288083
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
徐 岩 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40506763)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体分子 / 核酸 / 有機化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、ヒトテロメアDNAがRNAに転写されているという意外な事実が明らかになった。この発見によって、テロメアRNAが細胞内において重要な役割を果たすことが示唆された。そこで、本研究では、有機合成による分子プローブの創製とこれを利用した細胞内のヒトテロメアRNA 分子構造を目指したケミカルバイオロジー研究を行う。本年度の目標である有機合成によるヒトテロメアRNA 分子機構の解明に利用できるケミカルバイオロジーツールの創製において、テロメアRNA四構造の生体内可視化に必要なフッ素基修飾核酸の合成に成功した。さらに、創製したツールを用いて小分子、タンパク質とテロメアRNA四重鎖の相互作用の解析に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
有機合成によるヒトテロメアRNA分子機構の解明に利用可能なケミカルバイオロジーツールの創製に成功した。さらに、創製したツールを用いて小分子、タンパク質とテロメアRNA四重鎖の相互作用の解析に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、有機合成によるテロメアRNA 分子機構の解明に利用できるケミカルバイオロジーツールの創製、およびそれを駆使して細胞内のテロメアRNA 四重鎖構造の解析が第一段階である。そしてこれを基盤にした第二段階として、そこで得られた情報を、細胞内においてテロメアRNA とテロメアDNA 関連性を明らかにする。具体的に、我々は、すでに化学モデル系において、開発に成功したクリックケミストリーという化学的アプローチを利用することにより、細胞内のテロメアRNA とテロメアDNA 関連性の解明に取り組んでいく。また、細胞内において合成したプローブを駆使してin-cell NMRにより細胞内のテロメアRNA四重鎖構造を観測に展開していく。最終的にこれらの知見に基づいてテロメアRNA 高次構造による染色体の安定化や細胞生死に対する制御機構の解明に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
平成26年5月、有機合成による分子プローブの創製を行うところ(26年12月から実施)、フッ素基を有する核酸プローブがRNA配列内に導入された場合は、四重鎖構造が安定化するため、NMRによりシグナルは観測されないことが判明した。改善する策として核酸プローブをRNA配列の5’末端に導入することに成功した。このため、in vitroおよび細胞内のシグナル観測をより詳細に検討する必要が生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年4月から5’末端にフッ素基を有する核酸プローブRNA配列の安定性を検討する。27年9月から核酸プローブRNA配列の構造を解析する。28年1月から細胞内環境での四重鎖の構造変化をNMRにより観測する。
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Research Products
(13 results)