2015 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素の安定同位体比のリアルタイム計測手法の開発
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26288086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸野倉 賢一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00260034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 光太郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (10455470)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境計測 / 同位体分析 / 一酸化炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
4.7μmの吸収線においてCOの濃度測定を行い、多重反射セルで構成されている波長変調吸収分光装置の性能評価を行った。掃引周波数は1 Hz、変調周波数は11.034 kHzとした。セル圧力は10.1 kPa、温度は313 Kとし、検出した信号はロックインアンプを用いて変調周波数の2倍成分を位相敏感検出した。CO濃度を変化させたときのスペクトル信号強度の測定結果から開発装置のCOの検出限界を、濃度に対するCOのスペクトルの信号強度のプロットより評価した。シグナルとノイズの比が2となる場合を検出限界とした場合、本研究で開発した装置の検出限界は0.09 ppmとなった。1.02 ppmのCOガス連続計測を行ったところ、アラン分散解析から求められる最適積算時間は145 秒であった。測定時間5000秒から36000秒までの連続計測の最大誤差は±0.02 ppm程度となり、機器の精度 (1σ,1秒積算) は0.8%であった。アラン分散により算出された積算時間を用いて積算を行うと機器の精度 (1σ) は0.4%に向上した。開発装置を用いた大気計測を東大柏キャンパスで行い、本装置の性能評価について検討した。大気中のCO濃度は0.1 ppmから1.8 ppmまで変化した。近くが車を通ったことなどによる瞬間的なCO濃度の変化や風向きの変化によって離れた地点から輸送されてきた大気によるCO濃度の変化を観測することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置を開発し大気測定を行いその性能の確認が出来ている。同位体測定についての安定性に検討の余地がある。
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Strategy for Future Research Activity |
CO中の炭素安定同位体計測に秋天を絞り、自動車排気と化石燃料燃焼により発生するCOの安定同位体計測を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の成果を次年度に学会発表するための旅費を確保するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大気化学討論会への出張旅費として使用する。
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