2015 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ結晶のpn接合による高度ガス認識界面の創出
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26288107
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木田 徹也 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (70363421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 洋一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00373267)
キタイン アルマンド 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (50504693)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ガスセンサ / 半導体ナノ結晶 / pn接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化物半導体を用いたガスセンサは日本生まれの重要技術であり、ガス漏れ検知や空気環境のモニタリング、プロセスコントロール等に幅広く利用されている。さらに現在では、微量でも環境や人体に影響を与えるガスを高精度かつ簡易・簡便に検知することが強く求められている。 これまでに、基本単位となる酸化物半導体粒子のサイズと形態をコントロールすることでセンシング膜の微細構造を制御すれば、大きな特性改善が可能なことを見出している。本研究では、ナノ粒子(ナノ結晶)を用いたガスセンサの作製・評価・解析技術をベースにして、半導体ナノ結晶を用いたpn接合ダイオードを基礎とする新しいガスセンサについて検討した。 昨年度はn型半導体としてZnOナノ結晶、p型半導体としてCu2Oナノ結晶を選択し、そのpn接合を作製した。しかし、Cu2Oナノ結晶の品質が不良であったため、ダイオード特性は得られたものの、その特性には問題があった。そこで本年度はCu2Oナノ結晶の粒径と単分散性を向上させるため、合成条件を詳細に検討した。その結果、酸素源として使用するジオール化合物を最適化することで、安定性に優れるCu2Oナノ結晶分散液を調製することができた。本ナノ結晶分散液を用いてZnOナノ結晶膜にCu2Oナノ結晶膜を接合した。この接合膜は良好な光電気化学特性を示し、ZnO/Cu2Oのpn接合が形成できたことを確認した。 またp型半導体として4元系カルコゲナイドのCu2ZnSnS4ナノ結晶を合成し、ZnOナノ結晶膜にCu2ZnSnS4ナノ結晶膜を積層させ、その整流特性を調べた。このデバイスは良好な整流性を示し、また良好な光電気化学特性を示したことから、ZnOナノ結晶膜はn型層として機能していることを確認した。 現在、これらデバイスのセンサ特性の詳細について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおりにZnOとCu2Oナノ結晶の再現性の高い合成方法を見出しており、それぞれが200-300℃の定温域でもガスセンサとして機能することを確認している。また、それらを積層させたダイオード型デバイスの作製にも成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の基本方針としては、作製したpn接合型センサのガス検知特性とその応答メカニズムを明らかにする。さらに新しくp型材料として硫化物系のナノ結晶を使用する。それらナノ結晶の再現性の高い合成方法を見出し、新しいp型センサ材料を開発する。これをn型のZnOと組み合わせることでダイオード型センサを作製し、そのセンサ特性を詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
予定していた出張が別用務のため急遽中止となり、次年度に出張することになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金は前年度に延期した出張の経費に次年度使用する。
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Research Products
(5 results)