Outline of Annual Research Achievements |
連続繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)は, リサイクルしやすく, 快速性可能などの利点があるから, 次世代の材料として注目されている. 本研究では, FRTPが連続繊維強化熱硬化性プラスチック(FRP)と比べて力学特性が低い欠点を克服するために, 高繊維含有率を持つFRTPの開発を試みた. FRTPの力学特性を向上するために, その強化繊維が熱可塑性樹脂とよい接着性を持つことが重要である. 繊維表面処理の方法(コロナ放電、プラズマ処理、ファイヤ処理など)を利用し, 表面処理を行い, FRTPを成形したが, 力学特性を評価した結果では, 効果が確認されなかった. 詳細を調べたところ, コロナ放電の有効性がないことではなく, 今までの処理プロセスに問題があることが分かった. 次年度で, 新プロセスを提案し, 繊維表面処理の均一性と繊維束内部までの繊維表面処理が可能であるか試みる. CFRTPの比強度を向上するために, FRTPの繊維含有率をFRPと同等なレベルまで向上させることを試みた. プレス成形する際, 金型の側面に余分な樹脂を流し出すことができ, 繊維がはみ出すことがないように, 繊維配向と垂直な方向に無数な微小溝を設け, 高圧成形時, 余分の樹脂を追い出す金型を考案した. 試作した金型を利用して, 作製したCFRTPに対して, 力学特性を評価した. その測定した結果, サンプルが均一に繊維を分布しておるし, FRPなみの繊維含有率をもつFRTPを作成することが可能である. 繊維と接着性がよいPEI樹脂(熱可塑性樹脂)では, FRPと同等な比強度と比弾性率をもつFRTPが完成された. 同方法を用いて, エンプラとスーパエンプラを複合材料の母材とした高比強度(FRPなみ)と高耐熱性(使用温度:250℃以上)をもつCFRTPも世界で初めて可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 強化繊維が熱可塑性樹脂とよい接着性を向上するために, いろいろ工夫したが、効果があまりなく, 理由を解明したが、追加実験は来年度になった. 2) 高繊維含有率の成形用金型を提案試作し, 目標の繊維含有率が達成できた。また次年度で予定しているエンプラとスーパエンプラを複合材料の母材とした高比強度と高耐熱性をもつCFRTPの成形も試み、世界で初めて可能になった.
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Causes of Carryover |
試作段階で他の会社の装置を利用し, テストしたが, 試用した装置で予定通りの効果が得られなかったため, 装置と材料の購入を次年度に延長したことにより, 次年度使用額が生じた.
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