Outline of Annual Research Achievements |
連続繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)は, リサイクルしやすく, 快速成形が可能などの利点があるから, 次世代の材料として注目されている. 本研究では, FRTPが連続繊維強化熱硬化性プラスチック(FRP)と比べて力学特性が低い欠点を克服するために, 高繊維含有率を持つFRTPの開発を試みた. 航空機胴体などで重要な微粒子衝突摩耗のエロージョン特性について, H27年度, 熱可塑性樹脂FRTPは熱硬化性樹脂のFRPより耐エロージョン特性の優位性が堅調で, 優れていることを分かった. それに引き続き, 熱可塑性樹脂の成形特徴を利用して, 耐エロージョンがよいPBO繊維が一方向材強化繊維(カーボン)をカバーする新織り構造のハイブリットFRTPを提案し, 開発した. サンプルを試作し, FRPエロージョン試験機を利用してその耐エロージョン特性を評価した. 提案した新型ハイブリットFRTPは一方向材CFRPの優れた力学特性を持ちながら, PFRP(PBO繊維強化プラスチック)の高耐エロージョン特性も兼用されている. FRPは熱硬化性樹脂なのでリサイクルが非常に困難で, 廃棄物のほとんどは埋め立てられている.いままで, 回収したFRTPを粉砕し, 樹脂追加し, 得られたFRTPチップを射出成型法で再成形することが研究されている. ここで, 本研究に開発した高繊維含有率(高力学特性)を持つFRTPの成形法では, 溶剤を利用して熱可塑性樹脂を溶かしてプレプレグを作成していることをヒントとして, 溶剤リサイクル法を開発した. 回収コストは今までの方法より安く, 取り出している繊維で再成形した長繊維FRTPの強度は, 今までの方法より10倍以上高くなった. これからパラメータを精査し, 樹脂溶剤を回収, 再利用し, コスト面で更なる改善していくつもりである.
|