Outline of Annual Research Achievements |
連続繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)は, リサイクルしやすく, 快速性可能などの利点があるため, 次世帯の材料として注目されている. 本研究では, FRTPが連続繊維強化熱硬化性プラスチック(FRP)と比べて力学特性が低い欠点を克服するために, 高繊維含有率を持つFRTPの開発を試みた. FRPは熱硬化性樹脂なのでリサイクルが非常に困難で, 年間廃棄物量約40万トンのほとんどが現状,埋め立てられている.いままで, FRTPにある熱可塑性樹脂は加熱再成形が可能であることから, 回収したFRTPを粉砕し, 樹脂追加し, 得られたFRTPチップを射出成型法で再成形することが研究されている. ここで, 本研究で開発した高繊維含有率(高力学特性)を持つFRTPの成形法では, 溶剤を利用して熱可塑性樹脂を溶かしてプレプレグを作成していることをヒントとして, 溶剤リサイクル法を開発した. 回収した、廃棄され, 大きさがバラバラのFRTPを, ある大きさにカットし(たとえば: 20mm×20mm), 溶剤を入れた容器に浸漬し, 各層分離した強化繊維シートチップと熱可塑性樹脂の溶液を取り出すことができた. その繊維シートチップを振動機にかけ, 均一なチップを重なった積層シートになり, それに, 回収した熱可塑性樹脂の溶液(新熱可塑性樹脂を部分追加)を注入し, 今まで成功した溶液溶剤FRTP成形法と同様に, 繊維シートチップ状のFRTPを成形することができた. 成形したリサイクルFRTPは今までの射出成型法で再成形するFRTPより, 400倍の強度を持ち, 加工コストも半分以下になった. それらの内容をまとめて学術論文を投稿し, 採択された.
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