2015 Fiscal Year Annual Research Report
被削材内部応力の高速度偏光撮影に基づいた超音波振動切削加工の現象究明と最適化
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26289014
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
磯部 浩已 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60272861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60176378)
丸山 耕一 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90302934)
原 圭祐 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30515812)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スプリングバック / 光弾性法 / ストロボ撮影法 / 超音波切削 |
Outline of Annual Research Achievements |
加工特性を改善する「超音波振動加工技術」は,難削材加工,高精度・微細加工に適用される.しかし,超音波帯域で繰り返される動的かつ短時間な加工メカニズムは,いまだに明らかになっていない.そこで、平成26年度には、超音波振動に同期して発光するパルスレーザー発光源と、振動速度と同程度の送り速度を実現する高速二次元切削装置を開発した。そして、被削材内部の応力を光弾性によって撮影することで、動的撮影手法を確立した。 平成27年度は、同装置を用いて臨界送り速度(振動する切れ刃が,被削材から離脱できなくなる理論的な最高送り速度)から,より遅い送り速度での応力変動を測定した.その結果,臨界速度の半分程度で切れ刃が離脱を始め,1/6程度では完全に応力が消失して断続切削となることがわかった.撮影結果を詳細に検証した結果,被削材の弾性変形が超音波帯域で繰り返されるため,弾性回復によって切れ刃が離脱できなくなることがわかった.すなわち,切れ刃と送り運動の相対関係から求められる臨界送り速度の理論は,超音波切削現象を説明するには不十分であることがわかった.また,弾性変形量は,振動振幅によって大きく変化することがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の通り,超音波帯域での加工現象を撮影できるシステムが構築され,その加工原理について明らかにすることができた.しかし,計画書では,超音波振動の周波数が加工特性に与える影響を検証するために,複数の切削装置を製作する予定であったが,年度内での完成には至らなかったが,平成28年度4月中に装置設計は完了する.以上の結果,おおむね計画通りに研究は遂行中である.
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Strategy for Future Research Activity |
加工原理が明確化されれば,超音波加工技術の体系化ができる.特に,被削材の弾性変形を減らす工具形状が開発されれば,高い生産性を実現できる.この実験結果を,各種被削材,例えば熱可塑性CFRPやガラスの加工に適用し,本手法の活用分野を探っていく.
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